死ぬまでに見ておきたい光景がそこにあった。
今回は岡山県から四国へ渡る橋の近くにある廃墟ホテルRを紹介。
超有名物件であり廃墟系の写真集などでは高確率で取り上げられているため知っている方も多いのではと思う。
すでに日が傾き始めている。外観のビジュアルが強烈というわけではないが明らかに不釣り合いな棒が聳え立っている。
1階は解体工事の跡が色濃く残る。ガラスは撤去され侵入者を阻む壁1枚も残っていない。かつてはここに美しいエレベーターがあったのだが同じく撤去されている。解体工事に着手したものの頓挫したと思われる。それにしても酷い荒れ具合だ。
とりあえず棒の方へ向かう。私の予想が正しければ・・・
どーん!これだよこれ。ってナニコレ?
天空を穿つ巨大な槍。その正体とは上昇回転可動式の展望台なのです。
上空○○mの高さから360°の大パノラマが楽しめたらしい。この辺りは本州と四国を結ぶ地点。瀬戸内海が一望できてロケーション的には最高の場所。本州はどの辺まで見えたのかな?
高所恐怖症の人からしたらとてつもなく怖いアトラクション。色々と維持費が大変だったのが容易に想像できる。
地上はなかなかのジャングル。自然と人工物の融合。ディストピアっぷりが凄い。
このホテルの魅力はここだけではない。上の写真から分かるようにここはグラフィティアートが豊富なのである。
次の三枚はあまりの出来の良さに作者を検索してしまった。現在ではプロとして活躍されている方の作品で2011年にはすでに描かれていた。
私は基本的に廃墟というものに対しては傍観者を決め込んで、破壊行為や低俗な落書きも経年変化として捉えている。ただしイカしたグラフィティアートなら話は別だ。上書きするなら以前の作者のスキルを超越したものでなければならない、超えられないならそのまま残しておくというグラフィティ界の暗黙のルールは守ってもらいたいものだ。
ホテルから見える景色も素晴らしい。ちょうど夕陽の時間だ。
近くに遊園地もあるし、なぜこのホテルは流行らなかったのだろう?
辺りは真っ暗。星空と一緒に。
感想
展望台が有名であったがグラフィティがここまで盛んな物件だとは知らなかった。百聞は一見に如かずとはこのことだ。展望台も迫力が凄くてホテル内部の探索がほとんどできないまま日没となってしまった。廃墟行く時の時間配分は本当に予定通りに行かない。やはり有名物件はテンションが上がる。同時に自分は廃墟に対して開拓者ではないのだなと実感するのだけど、私自身はそれで満足しているのだからどちらでも良いことなのかもしれない。