廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

飛騨街道「金山宿」の街並み

筋骨巡りに銭湯跡、それだけじゃない。金山の魅力は街並み全体に溢れている。

 

駅から歩くこと5分、飛騨川を渡り橋本町商店街に到着する。

 

街歩きで最初の印象はとても大事。

それがその日の期待感に直結するといっても過言ではない。

 

それがこれ!

 

ここ山間の商店街っすよ・・・。

想像の遥か上を行くファーストコンタクトに驚きを隠せません!

 

こちら「居酒屋しのぶ」の物件。

旅館を改装したらしき大型の建物だ。

 

そこかしこに意匠溢れる中でも玄関周りの装飾が印象的。カラフルなタイルが華やかであった。この辺りは遊郭もあったそうで関連物件の可能性も否定できない。

 

弧を描く商店街は例外なく美しい。

軒先にある飾りが田舎町らしい雰囲気を盛り上げる。

 

商店街としてはシャッター街で間違いない感じか。日曜の昼下がりだったが開いている店は皆無に等しい。

 

山間の町ながら様々な種類の店が並ぶ。まさに横の百貨店。

 

この辺りはもしかしてもしかするかも。

遊郭や赤線跡を歩いているとどうしても色々と勘ぐってしまうものだ。

 

こちらの理容店も見事な円柱とタイルの装飾があった。

 

分岐を経て飛騨街道の宿場町へ向かう。

 

さっそく目に入ったのがこの料亭跡。

存在感の際立つこの物件は観光ガイドでも紹介される明治8年の建物。

屋号は「清水楼」と晩年は鰻屋だった様子だが、現在は営業されていない。

 

料理店の鑑札あり。

 

その向かえに建つ旅館「福寿美」もインパクトがあった。

 

モダンなデザインが特徴的な3階建ての物件。よく見ると左上に丸窓がある。

 

1階部分にカフェを併設。「DOUMU」漢字にすると童夢で良いのかな?なんだか超能力が使えそうだ。

 

看板の奥に円柱の装飾あり。

 

裏手には割烹旅館と看板がある。

 

近くに古地図の看板。

 

その脇の路地に何やらベンガラの建物が・・・。

 

みんな大好き丸窓。

 

これは遊郭の遺構とみて間違いなさそう。

 

まさかこんなに状態のものが残っているとは思いも寄らなかった!

 

向かえに建つ円柱の物件は民泊施設としてリノベーションされている。

奥にある建物も何だか怪しい。

 

飛騨街道へもどる。

この時点で最初の期待感を上回る収穫だった。

 

それでも街に足を踏み入れたばかり。まだ終わらない。

 

独特な佇まいの住宅。

 

モザイクタイルが使われている物件も多く残っている。

 

ここを降りるとハウルの城へ繋がる。

 

宿場町らしい旅館「清水屋」もあった。

 

こうして見ると宿場街道にしては狭い道幅だ。それでも宿場町や歓楽街として栄えた面影もあり情緒溢れる場所であった。

 

こちらが飛騨街道と筋骨を挟んである劇場通り。その昔、映画館があったらしく商店街が形成されている。

 

飛騨街道と劇場通りを結ぶ路地。

 

劇場通りも営業している店は少ない印象。

 

紫色が艶めくスナック跡と思われる物件。

 

劇場通りと飛騨街道は国道に繋がっており、いい感じのパチンコ屋の看板があった。

 

街全体がレトロなままというのか、狭いエリアなのに雑な散策だとあれもこれもと目移りしてしまうから何かしらテーマを決めて行くのがいいかもしれない。そもそも普通の観光客は筋骨めぐりだけで充分満足されると思う。

 

最後にこちら。

 

「分を弁えろ、痴れ者が」

 

はい、呪術廻戦でお馴染みの両面宿儺様が鎮座されています。

 

ここを探すのに随分と苦労した・・・。

最初に調べて目星を付けていた場所と真逆の位置で彷徨っていたら偶然出くわした感じ。記憶力は人より良いと思ったけれど、ただの凡夫だと痛感しました。

 

紛らわしいことに飛騨金山には宿儺像が二体。

のっぺらぼうより頭がふたつある方が好きかなー。

 

以上で飛騨金山は終わり。

想像以上に味わい深い街並みが広がっていた。”飛騨金山には訪ねてみたい場所がある”なんて宣伝文句があるけれど、こうして訪ねてみないと分からない良さもたくさんあったと思う。筋骨や銭湯跡みたいなキャッチーな部分だけでは語りきれない素敵な場所で間違いない。