消えゆく遊郭跡を歩く
雨上がりの岡崎市。
以前は岡崎に良く来ていたのだが、岡崎東駅の岡ビル百貨店が閉業してから足が遠のいていた。今回の目当ては遊郭跡。岡崎城を有する岡崎公園の近くに存在した通称「龍城連」へ赴く。
今では閑静な住宅街となっている場所。
かつては遊郭街だったということだが、大正12年に市内の中町へ移転。その後は花街として残り「龍城連」の呼び名で知られている。
そんな場所に今も「板谷本通り」と名前が付いた通りが存在する。
例のごとく幅員が妙に広い通り。
歩みを進めると遊郭や花街跡には欠かせない稲荷神社があった。
ついでに猫ちゃん。
野良猫もこういう場所を歩いていると必ずと言っていいほど遭遇する。遊女の魂でも乗り移っているのだろうか。
この通りで真っ先に目が行ってしまうのは巨大なラブホ。これも名残ですかね。
そのホテルの向かい側に遺構と思わしき物件を発見。
小料理「福柳」の看板の横に穏やかでない鑑札が・・・。
お見事!料理店の鑑札もばっちり残る。
意匠もそのまま。
よく見ると「みどり」と転業前の屋号の名残も刻まれていた。
駐車場も完備した立派な小料理屋に転業したと思われるが、外観から察するに現在は営業してなさそうだ。
こちらの建物も色街関連と思わしき物件。
屋号だろうか?・・・読めません!
意匠は控えめな印象。それでも明らかに遺構だと分かる。
裏側も素敵。
このシャープな外観は一見の価値あり。
周辺にある小規模な旅館・ホテルは転業したものだろうか。
こちらの物件は玄関にモザイクタイルが敷かれている。
水色とクリーム色の市松模様が美しゅうございます。こういう場所を歩き始めたばかりはモザイクタイルの何に惹かれるのか分からなかったが、今ではすっかりその虜だ。
二階の意匠。たくさんの柄が並ぶ。
解体された住宅跡。
これも花街関連の物件だったと写真を撮っている際に話しかけられた地元住民の方から伺った。少し前に名古屋の中村遊郭跡へ行ったが、あそこも随分と遺構の解体が進んでいた。消えゆく遊郭跡たち、寂しい限りである。
その他の遺構と思われる物件。合計で5軒を確認できた。
令和の世でこれだけ残っていれば上等上等。数年前はもう少し遺構が残っていたと思うと早く訪問しなかったことが悔やまれる。
ここも何か気になりますな・・・。
天然の薔薇園。
年中メリークリスマス。
帰り道、名鉄と環状鉄道が交差していた。
シャッタースピードが遅くてブレてしまったが・・・。
それは置いといて、廃墟や遊郭跡関連は「今」行かないと見れなくなるものが本当に多い。私の記事など、どう足掻いても二番煎じにしかならないのだが、これも近い将来に消えゆく街の記録として残れば幸いだ。