もうひとつの舟屋群
観光名所である伊根浦の舟屋から約4km離れた場所に新井地区がある。
そこの新井漁港には使われなくなった舟屋があり、伊根浦にはない純朴な漁村風景が残っている。
快晴。
高台の集落から漁港を見下ろす。
集落はかなりの急斜面に建つ。
新井地区は江戸時代以前から続く漁業と農業が盛んな半農半漁の集落。
残念ながら農作業の機械化が普及する過程で耕作放棄が相次ぎ、稲作の規模はかなり縮小してしまったみたいだ。
階段の右が新井漁港。その反対に舟屋が残る。
間引かれたように建つ舟屋たち。
伊根浦の舟屋兼住宅と違って原型通りの状態を保たれている。
GoogleマップにUPされている画像と比べても随分と減ってしまったようだ。伊根町のHPを見ると”十数棟残り”と記述があったのだが・・・。
それでも海の目の前にある鳥居と舟屋がとってもフォトジェニック。
岸壁沿いを歩いて近づいてみる。使われなくなった船もそのままだ。
海に出る者の安全を願う場所。
旧式の舟屋から見る漁港。
近代化された漁業では使われなくなった舟屋だが、農業とは違って漁業は今でも盛んな様子。
本当に素晴らしい風景。
伊根浦の舟屋にも勝るとも劣らない景色に思う。
せっかくだから防波堤まで歩いてみた。
ここからの景色も絶景。
木々に反射した海面が緑色なのが良き。
純朴な舟屋と違って鉄骨の大型な舟屋。
老朽化で事故の危険あるため使用禁止の貼り紙があった。
先客のウミネコさん。人慣れしているのか近づいても動じる様子がなかった。
ウミネコさんの背後には迫力ある舟屋が残る。
残り少なくなってしまった舟屋。状態から察するに消えてしまうのも時間の問題だろう。
そもそも立地を考えるとここまで残っているのが奇跡的なのでは?
この木製のレールもよくここまで原型を保っているなと感心してしまう。
舟屋の数こそ減ってしまった様子だが、ギリギリ間に合った感じか。
穏やかな集落、活気ある漁港、朽ちていく舟屋の三重奏が何ともいえない雰囲気を醸し出していた。端正な伊根浦とは違った魅力があり、私はこういう風景を求めていたのだなと再認識することができた。あちらさんに出かけた際は是非寄ってみてもらいたい。