三種の神器である草薙剣を祀り、皇室とも縁の深い神宮。この場所は毎年正月には初詣で大変賑わう場所として有名だ。
熱田神宮の前にはJRと名鉄の駅がそれぞれ存在し、そのふたつを結ぶ形で神宮前商店街が連なっている。
JR熱田駅
見ての通り、巨大な名鉄に対してかなり寂しい駅舎。
愛知県も場所によっては名鉄側が栄えている印象がある。もっとも神宮前駅については名古屋本線と常滑本線を結び、両線の乗り換え駅としての役割を担っているため必然的に利用人数が多いのだろう。
今回は栄えていない側のJR熱田駅を起点に神宮前商店街を散策した。
駅前に店舗が連なっているが営業しているのかどうか分からない店舗が多かった。
駅から歩いて数十メートルで大津通りの交差点に到着する。
ここから見える風景がなんとも名古屋らしいごたごたで好きだ。
交差点を左折してすぐの場所に昭和然とした風情漂うアーケードのある神宮前商店街が佇んでいる。向かい側には熱田神宮という立地になっている。
商店街手前の左側には区役所。鶴が可愛くていいっすね。
これが見事なシャッター通り。
日曜の昼間であったが人影もまばら。最も当日は降雪も見られ、家でゆっくりとしている人も多いのだろう。オミクロンさんもいるしね。
薬屋さんも自動販売機屋さんに様変わり。
よく見ると産生具に精力剤といかがわしさ満点だ。産生具って早い話、例のゴムだよね。
売られている自動販売機も一風変わったアゴだし。ローカルテレビ局が取材しそう。
シャッター通りを歩くのは楽しいな。
ようやく開いているお店を発見。いちご大福が美味しそう。
片隅に目をやると歳末売り出しとあるが昨年の日付であった。1年前とはいえ元気があったとは思えないのだが元気まつりだから元気 だったのだろう。
看板の書体がいい味出してますな。
こういうファミコンショップも何だか懐かしい。クリスマスシーズンになると思い出すのはハローマックの広告・・・。あれもこれもキラキラ輝いて、クリスマスはサンタに何を願おうか、思い出すだけで胸が締め付けられる。
とはいえ、この辺りは名古屋都心に近く巨大なイオンモールもポコポコ建てられている。商店街単体で生き残るのは至難の業だろう。そう考えると大須商店街は凄いな。
この日は友人を連れ立って歩いたのだが突然呼び止められた。
「○○さん、〇〇さん、これ見てください」
あぁ、レンタサイクルね。
「ロゴがchari、チャリっすよ」
・・・私はいい友人に恵まれている!
なんとも前時代的なレンタルビデオ屋さん。大手資本のゲオやTSUTAYAでさえサブスクに押され気味な現代で個人で続けていける物なのか。
チラッと見えるポスターは地元のスポーツ選手なのだが指名手配に見えるのは気のせいか。おい小池的な。
チンチン。
居酒屋も複数店あるようで、夜になるとシャッターを開く店も多そうだ。
いやー、いい商店街だ。
私みたいなスキモノに好まれる店舗が非常に多い。
店先ではお歳を召した女性店主が元気に焼きそばを炒めていた。
写真をよくみると人が立っているのだが、パッと見て分からないのは撮った人の腕がないからだ。
パン屋の隣がサンドウィッチ屋というバチバチな組み合わせ。両方仲良くシャッターを閉めていた。
唐突に現れるにゅーよーく。
何故か店員と恋に発展してしまう特殊入浴場。入浴だからニューヨークか。
格式の高い神様の祀られている神社の目の前に破廉恥なコレ。普通の商店街のど真ん中にコレ。さすが名古屋と言わざるを得ない。
ここで多くは語るまい。
にゅーよーくを曲がって進むと裏通りとも言うべき更なるDEEPなスポットがあるのだが、それは次回のお話。
この日は2021年名古屋で初冠雪となった日だが、時間によっては青空も見えた。やはり空が青いと気持ちが良い。晴々とする。
こんな感じで歩いていると名鉄神宮前絵駅に到着。
ちょうど建て替え工事の最中とあって駅ビルには入れず。
なんとも見事な昭和遺産。
これも綺麗で今風な建物になってしまうかと思うと悲しい気分になる。
反対側から見てもいいなぁ。
ついでに熱田神宮にも寄る。
草薙剣であり天叢雲剣でもある熱田大神が主神で天照大神、須佐之男命、ヤマトタケルと日本神話のビッグネームが連なるのを見るとワクワクするのは仕方がない。
熱田神宮からチラッと見えるMEITETSUが素敵。もうすぐ見れなくなるのはやっぱり寂しい。
さて、2021年も残りわずか。
今回は12月26日に訪問となった。
友人と撮り納めということで愛知県と三重県へ向かった道中で寄ったのが熱田神宮。なんでも最近は写真を撮って歩くことをフォトウォークと呼ぶらしい。オサレな横文字に弱い私は何だかくすぐったくなってしまうね。ここの前に大須商店街も寄ったのだが、いまいち気分が乗らなかったのは賑わっているためか。大須もそれなりに渋さはあるのだが、枯山水庭園のような詫びとさびはシャッター通りにしかないと思う。言葉では表現しにくい魅力が秘められているに違いない。神宮前商店街は2016年にも訪問している。当時とあまり変わっていない様子で安心する反面、昭和の駅ビルであった名鉄駅舎は建て替えが進んでいた。東岡崎駅の岡ビル百貨店、お隣三重県桑名駅の桑栄メイトと近年進む昭和の駅ビル解体の波。見慣れた景色もいつまでも残っていくとは限らない、あぁ諸行無常。便利な言葉だ諸行無常。
次回はニューヨークのさらなる向こうの裏通りを紹介したいと思う。近日公開予定。