廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

旧小田小学校 滋賀県上野市 廃校

旧小田小学校 本館

滋賀県上野市小田町141-1

入館料:300円(高校生まで100円)

開館時間:9:00〜16:00

休館日:祝日を除いた火曜日、年末年始

駐車場:3台程度あり

 

旧小田小学校本館は明治14年に建てられた木造洋風二階建ての学校。昭和40年に児童数減少のため廃校となったが、近代初等教育の草創を象徴する建物として昭和50年に滋賀県文化財に指定。その後、平成2年に約5年の保存修復が実施され現在に至っている。

 

伊賀上野の城下町から少し離れた高台に建つ。

現在の小田町は水害の難を逃れて移住した小田村が前身となる。意匠に凝った校舎は、そんな人々にとって新時代に寄せる期待を表現したものと言える・・・らしい。

 

立て看板から見てみましょう。

小難しいことは置いておいて、この辺りの時代の建物はどれも個性的で面白い。あくまで”洋風”というのがいいのよね。

 

もっとも意匠を凝らしたというエンタシス風の柱。パルテノン神殿みたいなギリシャ風のことをエンタシス風と言うみたい。ご立派です。

 

竜の彫刻。西洋のドラゴンではないことが洋風たる所以。

 

玄関だけでこの凝りっぷり。たまりません。

 

参観料を払って中へ。まずは人体模型がお出迎え。

職員の方から撮影は自由にどうぞと優しい言葉を頂きましたので遠慮なく行かせて貰います。

 

校舎としては小さい部類か。展示室と繋がる形で教室が保存されている。

 

ノスタルジーに溢れている教室。うん、好き。

16人分の小さな机と椅子が可愛い。黒板の前にはでっかい算盤。でっかい分度器とか三角定規もあったなー。

 

こうやって写真を見直すとチェックしなかった物に気が付く。白い棚には何があったのか。

 

オルガンも時代を感じる重厚なデザイン。

 

地球儀。あまり使った記憶はないけど地球が丸いことを教えてくれたのは間違いなく彼だろう。

 

当時ものがたくさんある素敵な場所だった。

 

人体模型はあったけど使った記憶がない。そもそも小学校の頃って内臓の勉強あったっけ?私が小学生の頃は学校の七不思議なんか流行っていましたね。

 

剥製やホルマリン漬けの死体も授業で使った記憶がないなー。

 

理科室にあった何に使うか分からない機械たち。

低学年の頃にいつか使うんだろうなと思っていたけど使わなかった物って何だったんだろう。・・・中には利権的な物も潜んでいそうだ。

 

廃校で好きな場所と言えば階段。ステンドグラスがお洒落。

 

グランドピアノと鐘。鐘は今で言うところのチャイムだろうか。

グランドピアノには蝋燭立てが装備。一歩間違えれば火事が起きそうだ。

 

2階は良くも悪くも普通の展示室。主に教材が展示されていた。

 

黒塗りの教科書は戦後というイメージだが、当時では珍しいことではなかったらしい。

 

昔の文房具のデザインが素敵。

 

テラスの入り口は巨大なステンドグラス調。これは復元されたものだけれど、当時の材質と製法に拘った復元を行なったみたい。残念ながら封鎖されててテラスには行けなかった。

 

窓から覗くテラス。円柱さんは相変わらず立派でございます。

 

1階に戻って最後に教室を撮り直したのだが、似たような構図の写真ばかり量産していた。先の写真と間違い探しのように見てくださいな。

 

陽の降り注ぐ教室。懐かしき学舎。やっぱり廃校はいいものだと思える良物件だった。伊賀上野観光の際は是非是非。