廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

奥稲荷社 京都府宇治田原町の廃神社

山間の廃稲荷神社

京都府三重県の境に位置する山間の稲荷神社。

約10年前に管理する団体が解散となり、そこから放置されている模様。場所は国道沿いにあり、市街地からのアクセスは良好。

 

鳥居をくぐって参道を征く。日没が迫る中、急ぎ足で本殿を目指す。

 

黄昏時の山中は不気味そのもの。

徐々に暗くなっていくことに対して本能的に危険を感じるのだと思う。

 

脇を見れば鳥居だった残骸が転がる。

千本鳥居とは言わなくとも、かつては参道に立っていたのだろう。

 

落ち葉だらけの参道は外灯も立っていたが電線は垂れ下がり管理状態が伺える。

ちょうどこの辺りで野生のニホンザルと遭遇。もちろん私の心臓はバクバクだ。

 

幸いな事に参道は短い。歩き始めて数分で社務所の跡地へ辿り着いた。

 

すぐ隣に本殿と摂社が並ぶ。

 

参道同様に落ち葉は気になるが、保存状態は良好。

 

荒らされている様子なく自然に朽ちていく様子が神秘的で美しい。

 

新しめのお供え物。管理こそされていないが細々と信仰は続いている様子。

 

・・・源氏パイって油揚げっぽい見た目っすね。

 

ルールルル、おキツネ様を呼びましょう。ちょっと怖い顔だけど可愛いです。

 

こちらの社には何と・・・

 

剥製のおキツネ様がいた。

 

こちらのおキツネ様たちは目玉がある。ルールルル、可愛いねぇ。

 

ちっこいおキツネ様ももちろん可愛い。

 

崩壊したトイレ跡。

遠くにニホンザルの姿を確認。こういう時に望遠レンズがあるといいなぁ。

 

明治百年記念の石碑。

1963年頃だろうか。日本各地に明治百年を記念したものがあり、当時の風潮を感じさせる。この稲荷社も同じ頃に建てられたのだろうか。

 

石の形が面白い手水舎。

 

最後に社務所を見ておこう。

 

隣にある手水舎の屋根の傾きが気になる・・・。

 

社務所の中は広い畳部屋でお酒やカセットコンロなど地域住民の集まる場所だった様子が伺える。カレンダーは無かったがハローページは2015年で止まっていた。そんで、調べてみるとハローページ自体21年で配布が終了しているようだ・・・時代ですかね。

 

高台から望む奥稲荷社。

 

何とか日没までに探索が終了。

 

道路から良く見える位置に看板があるも木々で覆われている。

 

創始者は永谷周一さんという方。

近くには永谷宗円生家という日本の緑茶製法の礎を築いた方の家がある。関係者だろうか。

 

小さな集落にある小さな稲荷神社は管理こそされていないが細々と信仰が続いていた。

廃墟になった現在も神秘的な雰囲気は変わらず味わえた。いつか訪れる自然に帰る日まで集落を見守っていくのだろう。