廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

鶴城荘 愛知県西尾市 赤線跡

西尾市会生町に存在した特殊飲食店街

抹茶や鰻で有名な愛知県西尾市

名鉄西尾駅から歩いてすぐの場所に「鶴城荘」という10軒程度の小規模な特殊飲食店街があった。名前の由来となった「鶴城」とは西尾城のこと。かの有名な徳川家康西尾城のことを「鶴城」と呼び、鷹狩りによく訪れていたらしい。赤線のルーツが何となく分かる。

 

駅から橋を越え、竜神通りを目指す。

 

この辺りは昔ながらの店が多く点在しており、歩いているだけで楽しい場所だった。

 

まだ赤線の入り口にすら辿り着いていないのに被写体が多くて困る。

 

「オカザキ」よりもカワイイに出会える街「ニシオ」。

 

これなんかもkawaiiって撮ったのだけど、立っている幟を見ると実に赤線跡らしい文字が並んでいた。

 

通りを進むと竜神通りの元ネタであろう神社がある。

この辺りから町の景色がディープな香りに包まれていった。

 

花街の名残なのか和楽器店もあった。

 

「かもん」とあって私の頭の中には蝶野正洋さんが浮かんだのだけど、日本酒なのだから家紋が正解なのかな。日本語って難しい。

 

竜神通りを神社の先へ進むと飲み屋街が現れる。

 

特徴的な外観をしている現役の店だ。

 

その先にも飲み屋が並ぶ。

 

怪しい雰囲気のある飲み屋街。

モダンな外観だが築年数は古そうだ。

 

隣の日本家屋と繋がっている。見るだけで凄い構造をしているのが分かった。

 

いわゆるカフェー建築の様式で少ないコストで華やかな雰囲気を演出している。

 

手前に見えていた蔦の茂る建物も凄い歪み方だ。

 

この辺りから異様な雰囲気は加速する。

 

言うならば鉄骨の魔城。

どうしてこうなったのだろうか?

 

曲がった先も鉄骨の主張が激しい。

 

突然現れた鳩の大群。

 

住人の方が2階から大量の餌を撒いていた。

 

鶴城荘へたどり着く前だというのに刺激的な光景の連続にノックアウト寸前。

 

竜神通りを過ぎて大通りが見えてきた。ここを横断すると鶴城荘へ着く。

 

途中の駐車場から鉄骨の魔城を眺める。

西尾市のサクラダファミリア的なものでしょうか。

 

駅前へ続く大通り。

さっきまでの雰囲気から一転して地方都市の顔を覗かせた。

 

それも一瞬で路地へ入れば「鶴城荘」の跡地となる渋い街並みへ戻る。

 

ショーウインドウが特徴的なタバコ屋さん。

 

昔のタバコってパッケージもそうだけど広告がかっこいい。

250円の時代だから20〜25年前か。古い街並みを歩く時は年代が分かる良い指標にもなる。

 

ちょうどタバコ屋を曲がると現役の飲み屋街が並んでいた。

 

どこはかとなく雰囲気のある住宅。

 

遺構らしい鑑札は見当たらず。

 

スナックか何かの居抜き店舗。シーシャBARだったかな。

 

住宅街の中にある古い物件。

 

手すりの意匠が光る。

 

明らかに小料理屋を改装した自然食品の店。

 

一見すると普通の住宅街だが商店跡も多く見られた。

 

どこか懐かしい雰囲気を持つ町並み。

 

神社にある遊具を見て時の流れを感じる。

私の子供の頃はかろうじてこの手の遊具は残っていたのだがね。

 

迷路の様な鶴城荘周辺を抜けると商店街に辿り着いた。

 

これもまた良い雰囲気で困る。

いつかこの通りをメインに散策しても良さそうだ。

 

以上、鶴城荘跡。

小規模な赤線であったためか、私の持っている資料にはほとんど情報がなくネット上でも詳細にまとめられていない物件であった。遺構らしきものはほとんど残っておらず、現在では普通の飲み屋街として営業していた。しかしながら、ノスタルジックな町並みと刺激的な一角と予想以上に撮れ高があった。何が楽しいのか、つくづく変な趣味を持ってしまったなと思う。