本州最北端の魔窟

今年の冬は狂ったように東北へ出掛けた。
”キュンパス”という魔法の切符は東北旅行をぐっと身近にしてくれた。
その中でも最大の目的は青森県にある第三新興街。存在を知ってから憧れに近い感情を抱いていた場所だ。

第三新興街。通称、ダイサン。
青森駅から徒歩5分の位置にあるバラック系の歓楽街。最近ではSNSなんかでも目にすることが多い。戦後の闇市が由来とされ、時代とともに物販店から省スペースで単価の上げやすい飲み屋や青線的な色街へと変貌して生き続けている。

再開発の進む青森駅前とは対照的に昭和の雰囲気そのままのダイサン。
この手のバラック街は権利関係がガバガバな時代に誕生したために行政も手が出せないのはよくある話。

横から見ると圧巻するバラック建築。もはや芸術の域に達している。
長屋ながら上階層はてんで統一感がない。だが、それがいい。

積もる雪に屋根が負けてんぞ!
リアルに倒壊しそうで怖い・・・。

悲しいことに2本ある路地の1本が雪で覆われてどうしようもない状態になっていた。雪が全く積もらない静岡市民から完全に想定外の出来事。

古びたアーチのある方は無事・・・良かった。


道沿いにある「さくら」は営業中。
この日も店の中から陽気な歌声が聞こえていた。

うむ、とても進めん。
こっちの通りは赤線的な特徴を持つ店が多いはずなのに残念だ。

次の路地に向かう前に通り沿いの店舗見よう。


ムーディーサロンクラブ。
ピンクサロン協会のマークが可愛い。PinkSalon.SocietyでP.Sか?
これを見るだけでここがただの飲み屋街ではなかったことを物語っている。

それではアーチの先へ。

!!
入った瞬間に痺れるほどの感覚。画面越しに憧れていた退廃的な世界が広がっていた。

狭く圧迫感が凄い路地。
長屋なのに統一感がてんで無い。室外機と比べてみると分かりやすいが1階部分が異様に低い。


そして迫り出した2階より上が圧迫感に拍車をかける。剥き出しになった配線といい堪りませんねぇ。



室外機3台分にも満たない高さのドアから聞こえる生活音。店はやっていないと思うが住み続けている住人の方はいらっしゃるようだ。



赤線的な場所へ行くと驚くような小さい店を目にすることはあれどここまで連なっている場所は初めてだ。

雪かきの状況で中に人がいるかどうか分かるのも雪国ならでは。


青森に来たからには撮影したかったスナック青森。雪がアクセントになって良き良き。

この辺りはかなり映えますね〜。

縦構図。
胡蝶さんの紫色が艶っぽくて絵になるなぁ。

胡蝶の左にも店舗があったがドカ雪で不通・・・。

胡蝶の先には共用のトイレとアーチ。

第三新興街の周辺も飲み屋や怪しい店が多い。




ただし現在の青森市の歓楽街はもっと駅側になっており、ダイサンに負けず劣らず風前の灯といった雰囲気だ。






以上、第三新興街。
写真で見ていたよりもずっと退廃的で素敵な場所だった。色々な部分に違和感を感じてこれが現実なのかと陶酔してしまう感覚は実際に行かなければ味わえないもの。やはり憧れはこうでなくっちゃね。

そういえば青森のあらゆる場所で見かける「落雪注意」の看板。静岡県民の私は見慣れなすぎて「落雷注意」に見えてしまい二度見してしまうことが多々あったっけ・・・。