鬼の里に残る原風景

”青鬼集落”という地名をGoogleマップ上で見つけたのは昨年のこと。確か長野県を経由して富山県方面へ向かった時だと思うが、通り過ぎた後に発見したため酷く後悔したのを覚えている。
青鬼集落・・・何て仰々しい響きなんでしょう。
どういう場所か想像もできない。何か青鬼にまつわる伝説でもあるのだろうか。

場所は長野県大町市と新潟県糸魚川市を結ぶ国道148号線の脇道から姫川を渡って山道を進む。この脇道が非常に分かり辛く、一度通り過ぎてしまった。道の途中で見えた残雪のある立山連峰と翡翠色の姫川が幻想的で美しい。

名前からして人里離れた山奥にありそうなイメージだが、山道は車で5分くらいと案外近い。集落には観光用の駐車場が整備されており、保存協力金の500円を料金箱へ入れるシステムだ。

そして、ショック。
”青鬼”は「あおおに」と読むのでなく正しくは「あおに」だった。
青鬼集落は重要伝統的建造物群保存地区、いわゆる重伝建へ2000年に選定されている場所でもある。

重要伝統的建造物群保存地区といっても実態はピンからキリまである。
そんな杞憂は無問題。駐車場から見える景色で大当たりを確信。これはキリでなくピンだ。

立て看板に集落内の伝統的建造物は14戸と記載があった。
もともとは白川郷のように茅葺き屋根だったらしいが防火の観点から現在は鉄板で覆った屋根になっているということ。屋根の中央に「水」という文字がある。これは”火伏せ”といって火災から家を守るおまじないのような物で古い家屋でたまに見ることができる。ここには「寿」という文字もあり、五穀豊穣や子孫繁栄の祈り等を込めていたのだろう。


集落へ入る。
都会の喧騒とは真逆で長閑な時間が流れている。

伝統的家屋は母屋と離れに蔵が基本的なスタイル。

所々に石仏がある。


白川郷にある住宅と比べると2階部分が広い印象。屋根の形も所々切り取られていたりとなんだか独特な感じがする。

窓枠も素敵。

住宅が並ぶとかなり圧巻。
何だか写真が上手くなった気がしてしまう程に被写体が素晴らしい。
やっぱりあった鬼伝説


お善鬼の館なる施設。
青鬼集落では”善鬼”という名前の通り、村に尽くしてくれた鬼がいたという伝説が残っている。隣村で悪事を働いた鬼が大穴に閉じ込められたところ、不思議なことに現青鬼集落に現れ、今度は村の発展に尽力して「お善鬼様」として祀られたというものだ。


その信仰は集落内にある青鬼神社で見ることができる。
ここの祭神が善鬼大明神、つまりお善鬼様となっている。

それが集落の名前と関係しているかまでは定かではなく、近くに流れる生活用水として利用していた青鬼沢から取ったという説もある。そうなると沢の名前の由来はどうなのとなってしまうため、ここは善鬼様が青鬼だったということで手打ちとしたい。何よりも善鬼様説の方がロマンがあって良いしね。

さて、集落の散策を再開しよう。



新緑に映えますな。


タンポポが咲き乱れていて春の到来を感じる。
・・・訪問したの5月で気温は初夏並みだったけど。


これは”ガッタリ”といって水力を利用して精米する道具を復元したもの。



全14戸ということで散策はあっという間。
絶景の棚田へ

それでは自慢の棚田へGO!

絵になるトラクター。

この棚田への道も素晴らしいの一言。

振り返って見ても見事。

展望台から見渡す風景。
もう5月だけど稲作はまだなのかな?

望遠でキュッと。


上まで来てみた。

休耕状態の田畑も多い印象。過疎化というのか高齢化は凄そう。

小一時間の訪問だったが贅沢なひと時だった。


集落から少し離れた・・・といっても駐車場を挟む程度だが2軒の住宅。

以上、青鬼集落。
ここいいですよ〜。普段は人様に勧めるような場所を記事にしていないが、ここならば手放しでオススメできる。観光客も少なく今ならノンストレスで散策できたのも良かった。春夏秋冬それぞれで素晴らしい景色が望めそうだ。