前回の続き。
時刻は1時過ぎ。12月の寒空の中で深夜の天理市観光。
さすが日本で二番目の規模の新興宗教の聖地。こんな夜更けでも車の出入りがある。
そうは言ってもこの広大な土地の中。人の気配はほとんどない。
!?
サッ・・サ・・サッ・・
何かを掃いている音が聞こえる。
法被を着た方が一人でこんな時間に神殿の周囲を掃き掃除している。
修行中の身なのか”ひのきしん”なのか分からないが兎に角ご苦労さまなことだ・・
正直、昼間ならまだしもこんな夜更けに大して汚れてもないだろうにやる必要はあるのかな。
とりあえず外観を撮影。
さて、お参りに行くか。
天理教の何が凄いかって365日24時間いつでも神殿の内部である礼拝場へ行けるということ。記帳の必要もなく、信者でなくともフリーな出入りができる。信濃町の大勝利な宗教団体は昼間ですら門前払いだったぞ。本部施設前の公道に突っ立っているだけで黒服の人から注意されてしまう。
当然のことだが、神前ということで礼拝場の撮影は禁止。
軽く見積もって百畳以上ある畳の部屋の奥に神衣と冠を纏った人が二人。この人達は寝ずに正座し続けるのか。それにしても昼間は周囲に人がたくさんいるからいいもののこの時間は私一人だけ。お賽銭の音が響く。なんとなくだけど視線を感じるな。少し緊張する。ええと、四回手を叩けばいいんだっけ?勉強不足で”あしきをはろうて”のアレはできないんだ・・・
とりあえず無事に帰れるようにお願いして撮影を再会。
時間があればゆっくりと内部も見て行きたかったけどまたの機会にしよう。
巨大な礼拝場は三方向から入ることができ、”地場”を囲う形で東西南とそれぞれ三つの部屋が用意されている。さらにここより規模は小さくなるが教祖と祖霊を祀った神殿が存在し、長い長い回廊で結ばれている。今回の外観撮影ではほぼ写らないのだが不思議な気持ちで歩くことのできる廊下だ。
建物の中央である南側から。
東側。
西側。
どこから撮っても変わりばえはなく、統一されたデザインで三面あると言った所か。
少し離れて。
月がらんらん、雲がたくさん、外灯がいっぱい。できれば星と神殿を撮りたかったのだが環境が悪すぎるぞ。さっきお参りの時に天候を願っておけば良かったのかな。
神殿の敷地は広大。上の写真は敷地内にある建物だ。独特な作りであるが、敷地を出ても周囲はこんな感じの建物ばかり。病院もこのデザインだから驚きだ。この辺りが日本で唯一の宗教都市たる所以か。町全体の宗教カラーが強く、歩いているだけで結構面白い。昼間は法被着た人が普通に自転車漕いでいたりと色々な部分で異国感を味わえるから普通の旅行に飽きた人にはオススメできる場所だ。
遠くに見えるのは天理大学。例のコロコロでラグビー部がクラスター発生させて、一時期は奈良県が他は大都市ばかりなのに感染者数上位に食い込むという現象があった。
この中央正門から見える景色は素敵。かっこいい門があるのだが、今回は何故か撮影していなかったのが悔やまれる。
正門から外へ出る。
イチョウ並木はちょっと時期外れだったか。ここかどうか不明だが、一般の観光雑誌や写真雑誌にもイチョウの名所として掲載されている場所だ。
ただいまの時刻は午前3時手前。高速代金節約のため、4時までには三重県の亀山ICへ到着せねば。日本でもトップクラスで事故の多い名坂国道を抜けて。安全運転で急ごう。
感想
星や夜景撮りを始めたばかりで何となく仏閣的なものを撮ってみたくなって寄った場所。天理教の誰でもウェルカムな感じは凄く好感を持っている。こんなにも気軽に寄れる聖地って他にもあるのかな?昼間に訪問しても巨大な神殿には圧倒されるのだが、夜中の静寂さが神秘性を高めてくれていたように感じる。次は朝焼けの時間帯に見てみたいかな。そもそも高速代金節約なんて考えず朝まで居れば良かったと反省。朝の街撮りとか面白そう。平日0時から4時の3割引きは大きいのよ・・・。
途中で信濃町の話題を出したがその宗教をディスっている訳ではないのでご勘弁を。あそこも言われるほど怖くない。信者さんは礼儀正しいし黒服の人たちも優しいよ。それでもどこ行っても学会の人かどうか聞かれるのはやっぱり少し怖いかな。