廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

トルシエ通り 静岡県森町の珍所

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もうすぐ2022年サッカーW杯が開催される。

普段はサッカーをあまり観ない私でも多少は注目してしまうイベントだ。

 

そんな中でも思い出深いのが2002年日韓W杯。もう20年も昔か・・・。

自国開催ということもあって否応なく日本中が浮かれていた。私や私の周囲も熱狂の渦に沸いたのは記憶に新しい。

 

どれだけ日本が浮かれていたのか象徴するような場所が静岡県森町に存在している。

その名もトルシエ通り。2002年のサッカー日本代表を率いた監督フィリップ・トルシエの名前が刻まれた通りである。

今でも残っているのか調べて見るとGoogleマップに掲載があり現場へ向かうこととなった。

 

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森町は古寺が数多く存在し趣きのある町だ。特産品は糖度が限界突破しているとうもろこし「かんかん娘」。清水の次郎長で有名な森の石松の森は森町の森だ。ちなみに墓もある。私個人としては初夏は紫陽花、晩秋には紅葉を見に訪れることが多い土地でもある。

 

Googleマップで案内された場所は今までも通ったことのある幹線道路沿いの脇道だった。

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幹線道路といっても県道で見た通りの何の変哲もない田舎道。3枚目の写真の信号を右折するとトルシエ通りがある。

 

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本当にただの道路だ・・・

それでは何故この場所がトルシエ通りと名付けられたのか説明をしよう。

 

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2002年のW杯を控えた日本代表は静岡で合宿を行なった。

その時に合宿所となったのが葛城北の丸というホテル。その時にトルシエJAPANを乗せたバスがこの道路を通ったことから「トルシエ通り」と名付けられた。

 

以上だ。

 

・・・意味が分からないかもしれないがそういうことだ。別に商店があるとかではなくただの住宅地と工場のある道路にだ。

確かに当時はニュースで、この北の丸まで続く300mの道路に見物客や報道陣でギュウギュウとなった映像が何度も流れたのを記憶している。

 

誰が何の目的で・・・というのか、これは行政が定めた正式名称ではないということだけは先に言っておこう。

おそらく誰かが言い出した事をマスコミが取り上げて地元の人が記念に付けたという感じだろうか。

それを決めた人も同意した人も何たる浮かれっぷり。しかし、こうして私の記憶の片隅に残っているのだから目論見どおりなのかもしれない。

 

ちなみに葛城北の丸は森町のお隣袋井市となるためテレビで紹介された時は「袋井市の〜」と紹介されていたはずだ。ちょうど市町村の境目になっているようで私も勝手に袋井市だとばかり覚えていた。そんなところも愛おしい。

 

 

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さっそく通りに向かって歩き出す。


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こ、これは・・・!


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うーん、字が擦れているけどサッカーボールあるし間違いないよね。

「P.Troussier Street」で間違いなかな。No.2とあるけどNo.1は見当たらなかったぞ。


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植木鉢の人。ほっこりするね。

 

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標柱は住宅の片隅に放置されていたり敷地内部に設置されていたりと様々だ。

建てた時はどんな気持ちだったのだろう?別に観光地ではあるまいし、観光客を呼ぶ必要はないんだよなぁ。何にせよ20年経つと流石に浮かれた気持ちも吹き飛んでいるか。


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しつこいけど本当にただの住宅街だからね・・・。

 

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栴檀の木にミモザの花壇。町のちょっとした名所も併せて紹介してくれている。


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No.15で最後みたい。私が確認できた標柱も以上となる。No.1〜15まであるのか知らないが、撤去されたモノもあるのだろう。

道路沿いには真新しい住宅も多く、当時とは住民も入れ替わっている可能性も高い。

 

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そんなこんなであっという間にトルシエ通りを過ぎ去ってしまった。

 

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20年前か・・・。

そもそも今の若い世代はトルシエ監督を知っているのだろうか。


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そうそう、何もない何もないと言いつつもこの道路にはあります。

RVパークという1泊3000円くらいの車中泊スポットが。トイレはもちろん、シャワーや電源など使える施設ではあるがちっと高いかな。


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のどかでいい場所ですね。


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静岡県民でも覚えている人はほとんどいないと思うが20年経った今でも残っているトルシエ通り。

行政が絡んだ正式名称ではないにせよ、こうやってGoogleマップにも掲載されているのだから大したものだと思う。

きっと住民達は4年に1度はあの時の記憶が蘇るに違いがない。そうやって考えると何の変哲もない道路にしか見えないこの場所もかけがいのない所なのかもしれない。