廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

焼津市 赤線散歩 

2022年9月に発生した台風15号

私の住む静岡市に甚大な被害をもたらした。

その中でも特に被害が大きかったのが清水区なのだが、他の町も例外ではない。

 

 

訪れた場所は静岡県焼津市

ここに住む同僚は床上浸水と車の水没と笑えない被害を被っていた。

そこで思い浮かべたのは沿岸沿いにある焼津の赤線。銀水楼という妓楼が残っているのだが、夏頃に今にも倒壊しそうな状態の写真を目にしている。果たして未曾有の水害を生き抜いているのだろうか。

 

磯の香る港町。

赤線のあった場所は漁港からほど近い場所。

焼津といえばカツオの水揚げ量日本一の海の男の町。遠洋から戻った船乗り達が一晩の花を求めて向かったのだろう。

 

そんな焼津の誇りであるカツオの水揚げも窃盗問題によって揺れているのだが、それはまた別の話。

 

区画整理がほぼ不可能なくらい密集して入り組んでいる住宅街。道路もかなり細い。現在の消防法では実現できない町。この中港5丁目がかつての赤線地帯、弁天地区だ。

 

海沿いの町らしく家屋には錆が目立つ。

 

どこかで通ったことがあるような懐かしい面影が残る。

 

所々に産業の抜け殻が残る。

 

津波避難タワーがあった。登ろう。

 

登った。

東日本大震災を経て建設されたと思われる避難タワー。

焼津市は住宅街のあちこちに建設されており思いもよらない景色を楽しむことができる。

 

私の住む静岡市の方向。大崩海岸の入り口にあるホテル松風閣が見える。

静岡市焼津市は隣接しているのだが山に阻まれているため、徒歩での行き来が難しい。

 

避難タワーの中腹からいい感じにエイジングされたモルタル外壁の住宅が間近にあった。

 

肝心の銀水楼だが、ものの見事に更地になっている・・・。

Twitterで検索すると2022年の8月までは崩壊一歩手前でその姿を留めていたというのに、あぁ無情。

 

銀水楼が現役時には見えなかったであろうこの裏側の建物もよく見ると凄い形状してますね。

 

瀬戸川の河口付近にはゴミの山があった。これは台風で出たゴミなのだろうか?

 

さっき通った避難タワー前の住宅はこんな感じだったけど水害で流されなかったのか。焼津に住む私の知人は実家の車3台が水没で廃車になったと言っていたが・・・。

 

銀水楼の隣にある妓楼っぽい建物は転業されて無事に残っている。

 

気の赴くままに弁天地区を散歩する。

 

蔦に覆われたカフエーの名残。

 

ディ○ニーの白雪姫的な小人・・・ギリギリセーフとしておこう。

もはやこういう趣味人以外の旅行者は訪れないであろうこの地区にある旅館跡。
かつてはどのような人たちが利用したのだろうか。過去に戻れたら見てみたい景色だ。

 

レトロな装飾が素敵なアパート。

久しぶりに明治村なんか行きたくなってきた。

 

忘れていた過去をそっと思い出す。そんな雰囲気が心地よい。

 

しかし、時計の針は待ってくれない。明日はどんな日になるのやら。