廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

秦野市 南が丘ショッピングセンター

神奈川県秦野市の南が丘という場所にある団地群。

 

団地には詳しくないのだが、昭和後期っぽい雰囲気を持つ建物が多い印象だ。そして広大な敷地に何棟も建っている。規模の大きい団地といえば商店街が付き物なんですよ。

 

今回、訪れたのは神奈川県秦野市の南が丘ショッピングセンター。

 

看板のフォントが良い味を出している。全てのテナントを含めても20店となる小さなショッピングセンターだ。

 

併設された公衆便所。これは鳩なのかな。

秦野市って神奈川県でも地味な都市なのだが、野鳥観察勢にとっては有名な場所だったりする。

 

これが中々のシャッター街。世知辛い世の中なのです。

 

集客力のありそうなスーパーも閉店になった模様。

 

第二種大規模小売店舗の看板が掲げられている。

2000年に廃止された大規模小売店舗法という法律に基づくものだ。簡単に言うと地域の小売店舗を資本力のある大型小売店舗の出店を規制して守る名目の法律だった。それが既得権益を与えているということで外資系企業からも問題視されて廃止になり、2000年以降の大型ショッピングセンター進出にも繋がっている。

 

日曜日の昼下がりというのに開いている店舗は数少ない。

見事にシャッター街となっているのだが、パン屋やクリーニング屋は日曜定休で喫茶店は修行に出たということでしばらくの期間店を閉めているということ。一応、最近閉店したスーパー以外に空きテナントは無いみたいだ。

 

それでもシャッターが多いのは放課後デイサービスや保育所もテナントで入っているからか。団地には子育て世代が多く住み、小売店舗よりも需要があるのだろう。

 

グリーンを基調とした統一感のある店舗街。

前述の通り、空きテナントだらけの明るい廃墟というわけではないのだが、近い雰囲気は味わえる。ボロボロアーケードの商店街を歩いた時のような激しい感情の揺さぶりこそ起こらないものの、どこか懐かしい平成レトロ漂う場所だ。哀愁具合は必要充分。

 

一方で外観や店舗前の広場は感情が揺さぶられた。なんとなく私の通っていた中学と高校ってこんな感じだったっけ。あぁ、ノスタルジーに殺される・・・。

 

平成生まれのショッピングセンターらしく鉄筋コンクリートのがっしりした建物。

天井はガラス張りで自然光を取り入れている構造になっている。

 

店舗街は外と比べれば昼でも薄暗く、降りたシャッター達と相まって陰鬱な印象があった。太陽の昇り具合で印象は変わるのだろうか。

 

周囲は団地の他にも分譲住宅が多く並ぶ。南が丘は名前の通り丘の上にある町だ。あまり情報がないのだが、ニュータウン的な匂いがほとばしっている。

 

安易な感想だが、どこはかとなくジブリっぽい景色が広がっていた。耳をすませばとか平成たぬきぽんぽことかあんな感じの雰囲気。リアルな平成初期の景色を描いていたジブリってやっぱ凄いぞ。