廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

湯の山温泉 昭和風情残る温泉街 三重県

昭和風情の残る鄙びた温泉街

三重県菰野町にある湯の山温泉

御在所ロープウェイの発着駅としても知られる山間の温泉街。温泉の質が良いと、かつては全国的に有名だったということ。

 

狭い斜面にホテルや旅館が並ぶ。

もともと歓楽的要素とは縁のない静かな温泉地。それでも昭和期には全国的に人気があったらしく、大型の宿泊施設も点在していた。

 

奥に見える旅館「翠月」は男はつらいよシリーズ3作目の舞台となった。そこから「涙橋」を手前に進んだ先が温泉街となる「涙坂」。

 

これが見事に寂れていた。

 

昭和風情漂う素敵な町並み。

鄙びた温泉街と言うと聞こえが悪いかもしれないが、私にとっては褒め言葉なのです。

 

もう少し隠し様はなかったのか突っ込みたくなる湯の山記念館。

 

絶妙に時代を感じる造形のキャラクター。

私の予想だと08〜09年くらい。女性にこの手のサンダルが流行っていましたな。

 

肝心の店はどこも営業している気配がない。

昔は土産店や飲食店が立ち並び、湯の山温泉の花形だったのだろう。

 

かつての繁栄を物語るかの様にタクシーの営業所もあった。

湯の山温泉は勾配がとにかくキツく、一杯飲んだ後にも需要があったのだろう。

 

坂の下には小綺麗な店もあったが覗いてみるとこの状態。

 

ここの温泉地も例に漏れず廃墟が多い。

上の写真奥に見える大型ホテルは令和4年に不審火で10時間以上燃えた「鶯花荘」。窓は割れ、黒焦げになったまま放置されている。

 

涙坂を下ると温泉街の中心になるバスターミナルに着く。

旅情のあるバスターミナルだが、都心を除いて現在はマイカーの時代。大型バスの駐車も無く、半分以上が駐車場になっていた。

 

ターミナル隣接の土産店。付近の駐車場も管理しているが無人で集金箱に入れるスタイル。

 

坂を下ると温泉街が続いていた。

 

写真右手には古民家カフェがあった様子。訪問時から店先は荒れていたが、Google情報では営業中と記載。執筆時に改めて調べてみると閉業となっていた。

 

古民家カフェ裏に流れる川。石の大きさから山奥に思うも四日市から車で30分で来れてしまうアクセスの良さは魅力だ。

寂れた温泉街や廃墟ばかりに目が行ってしまうが現役の宿泊施設も多く、都会の喧騒を忘れてゆったりと温泉宿で過ごすには良い場所だ。

 

管理不足だなと思う部分は多々あるが、昭和風情残る鄙びた温泉街と御在所ロープウェイは魅力充分。そこら中に奇石があって歩いて楽しい場所だった。

何度も触れているが勾配のキツい坂や階段ばかりのため歩きやすい靴はマスト。

 

あと注意したいのが秋の紅葉シーズン。かなり渋滞する模様。そんな時こそ宿泊するのがスマートな大人。私だったら宿泊代ケチって朝一到着+日帰り温泉

 

 

おまけ

御在所ロープウェイに乗ったのだが、これが超怖い。

 

笑っていられたのは最初だけで中腹からとてつもない高度とかすかな揺れに襲われた。

 

し・か・も!

見てよ、この不安を掻き立てる細いワイヤーを・・・。

今まで多くのロープウェイに乗ってきたが、こんなに怖い経験は初めてだった。ゆっくり、ゆらゆら。ジェットコースターなんかよりよっぽど怖かった。

 

それでも労せず山頂に立てるのはありがたい。

たぶん吊橋効果は凄いでしょう。混んでなければグループごと乗せてくれるため意中のあの人と行けば幸せ待ったなし、かも。