甲府駅の栄えていない方面である北口から約1km離れた場所に渋すぎる飲食店街がある。
その名も新天街。
前回の記事で触れた御殿場の新天地と似通った名前であるが、銀座の名前を冠する場所が日本中で見られるとおりにこの界隈では珍しい名前ではない。
広めの県道6号を挟んで佇む姿は気が付かなければ通り過ぎて行ってしまう世界。
新天街の反対にはこんなにインパクトのあるお店があるからこそ尚更だ。
事実、私もこの店は覚えており、この道路を車で通っていたことがあるものの通り過ぎていたようだ。
正面から見ると長屋に見えるが、その正体はバラック街。そして見た目より規模が大きいのが分かる。成り立ちについて詳しくは知らないが甲府空襲で焼け焦げた土地に建てられたのだろう。
甲府の中心商圏や歓楽街は南口であり、駅からここに至るまではのんびりとした空気が纏っていた。この周囲は病院や学校などが多く、ここだけ特異な感じであった。
・・・渋い。
何というのか言葉で説明するのが難しいくらい色々な要素がありすぎる。
少なくとも60年以上は経つのだろうか。建物は痛み、屋根に至っては骨組みが露出している状態だ。
とりあえず歩いて横丁を抜ける。
青いネットで覆われている部分もかつては店舗があったのか、覗いてみると痕跡が残されていた。
こっちからみると看板がたくさんあって映える写真が撮れた・・・かな?
ここから見える景色で営業中のお店はどのくらい何だろうか。
素敵な看板だらけでキュンキュンしてしまう。この中では少なくとも2軒は営業しているみたい。そのうち一軒はコロナ休業していたが、お寿司屋さんからは常連客の元気な声が漏れていた。
昭和情緒に溢れた風景。
ハワイは庶民の憧れだった時代の名残を感じる。
個人的に特に印象に残ったのが骨組みアーケードと絡まる電線たち。
寄って撮ってもかっこいいし、引いて撮っても絵になるなぁ。
電線以外も上を見上げれば見どころたくさん。開いたままの窓や宙を浮く室外機・・・
上を向いて歩こうよと声を大にして言いたい。
中央には共同便所が存在する。
2枚目は男は黙って立ちションするスタイルの便器。現代っ子には少し恥ずかしいかも。
暴力や飲酒運転はダメ絶対。
1枚目の写真の脚立に「シン天」と書いてあるのがノスタルジー爆発でヤバい。
赤い星にGマーク。これが気になった貴方は鋭い!
これかつて使われていた都市ガスのマークなんだって。
本当にどこからどこまでも見どころだらけの場所だ。
感想
昭和情緒溢れるバラック街。
再開発が進む中で時代に残された感が半端なく哀愁を誘う。
いつもはベラベラといらん事ばかり書き綴るのだが、不思議と言葉が沸いてこない。文よりも写真を見て感じとってもらいたい。そう思えたからだろう。
ただ、同じような構図の写真を連発させる癖は治していきたいかな。