廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

さよならイオンモール名古屋みなと店 明るい廃墟の閉店

イオンモール名古屋みなと店の閉店が2021年2月28日に決定された。
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イオンモール名古屋みなと店といえば空きテナントだらけになっていることが有名であのピエリ守山の再来とも呼ばれたショッピングモールだ。いわゆる”明るい廃墟”と呼ばれるジャンルになる。その生きる廃墟が2021年の2月で閉店するということ。


私自身は昨年に訪問しており、写真のデータ管理をしている際にたまたま検索し、閉店の告知を知る運びとなった。正直、人様にお見せできるような写真ではないが・・・それはいつもか。拙い写真ばかりで全体の雰囲気が伝わりにくいかもしれないが、せっかくなので記事にまとめることとする。もう見れない営業中の姿を堪能していただければと思う。



訪問したのは最初の緊急事態宣言明けだった。平日の17時、駐車場にはそれなりの車があった。1階のスーパーは普通に人がいたがそこを離れるとご覧の模様。専門店街になると過っ疎過疎。
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上を見上げると・・・
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人の気配がしねぇ!
オラわくわくしてきたぞ。

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見事なまでに空きテナントだらけ。だまし絵で面白い写真を撮ろうと公式で言われている。空きテナントはインスタ映えスポットにして集客だ!というのは流石に無理なんじゃないっすかね・・・

せめて同じ絵は配置しないとかさ。手抜き感がすげーです。

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子ども連れならそれなりに楽しめるのかな?
地方の観光地なんかでもよく目にする羽のイラスト。二番煎じ感が拭えないので個人的には見かけるとガッカリするかも。

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時はコロナ時代!ここでは特別な配慮をしなくともソーシャルディスタンスは保たれる。ただ、しっかりと配慮するのはさすが大手企業。素晴らしいこと。

どことなく暗い店内。テナントが埋まっていないからなのか。

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私は地方の少し廃れたショッピングモールは大好きで、ふらっと寄っているのだが、アウトレット店が多いのも特徴だ。ここも例外でない。ちなみに閉店時間よりかなり前だがヴィレヴァンは閉まっていた。これはコロナで営業時間短縮のためかもしれないがただでさえ少ない店舗。写真には納めていないがこことは別にヴィンテージヴァンガードというヴィレヴァンのアウトレット店舗も存在した。

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これも寂れたモールあるあるのゲームコーナーとガチャガチャコーナー。

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宣伝も思う存分スペースを取れる。

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スタバ様でさえ人がいない・・・

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特設会場にはテントが展示されている。それにしても広すぎる。一応ロゴスショップで扱っているのかな。

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これも広大すぎる似顔絵コーナー。
なんとなく違和感があるのだが・・・・



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分かった。時代が10年くらい前で止まっているからだ。

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イオンモール駿河屋のリアル店舗は珍しい。

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コロナの影響なのかテナントが入っていても営業していない店も数多く存在していた。

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フードコートとレストラン街も御覧の通り。
リンガーハットは旧ピエリ守山でも最後まで鎮座していたことがこの界隈では有名だ。

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サイゼリヤもお疲れ様でした。

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感想

残念ながら21年間の営業を終え閉店されるということで振り返ってみた。少し前に記事にしようと思ったもののブログに使える写真があまりにも少ないため、2020年末からの緊急事態宣言明けにでも再訪しようと考えていた。結局明けないまま閉店となってしまったのは悲しい限りだ。

地方には寂れたショッピングモールが数多く存在している。流石にここ程の店舗は見かけたことがなかったし、天下のイオンモールでさえこの有り様なのかと驚きはあった。買い物は自宅で気軽にできる時代だ。コロナの影響で加速していくだろう。かつて郊外型の店舗が町の商店街を駆逐した様にライフスタイルの変化とともに歴史は繰り返されるのかもしれない。

私にとってもイオンモー・・・ジャスコの思い出はたくさんある。名古屋みなと店と同時期に隣町にジャスコができたのだが友人や家族と行った記憶がある。衰退しているのか定かではないがトリックアートや似顔絵で魔改造されていたらちょっと嫌かな。

健全ナル國民ノ診療所 S診療所を探せ

潰れてもいいじゃないか。廃墟だもの。


今回の訪問は日本で例のウイルスが流行し始める少し前のこと。

S診療所は写真集や本で見た憧れのような場所。もともとレトロモダンなデザインが大好きで大正桜にロマンの嵐といった感じで眺めていた。

場所については洲原神社を目指して出発。近くにあると言われている”神の住む家”と呼ばれている廃屋も視野に手探りで見つけることとした。
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洲原神社に到着。
これはこれでかなり立派な雰囲気のある場所だ。

神社を通り抜けてすぐに廃屋を発見。
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内部の崩壊が凄まじいな。
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いちおう神棚を発見。ここが神の住む家なのかな。
かなり朽ちており往年の姿はそこにはない。


次に本命。S診療所だ。
周囲を歩くとすぐに住宅街となる。

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廃屋を発見するがここではないようだ。

そして辺りには怪しい薮がある。
奥の方に潰れた廃屋が!

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潰れていたとしても痕跡を見つけたい。その一心で意をけして薮へ飛び込む。

うぅ。辛い。
近くまで行くが痕跡が見つからない。せめて何か手がかりでもあればと立ち竦む時、薮の外から話し声が聞こえた。

「この辺だと思ったけどなー」
「もういいよー」

!?

これは同業者の声か?さすが超有名物件。私の他にも探索者が。
一緒に探しませんか?と声を掛けたいが私は藪の中。とりあえず外へ出てみる。

道路へ出て雑草を払っていると生垣の奥から話し声がする。
あきらかに廃な空気のある怪しい生垣だ。さっき通った時は何故か気が付かなかった。

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進んでみると潰れかけた廃屋がある。そしてその前にカップルが廃屋を見つめている。先ほどの声の主とは違うみたいだ。

こんにちは。と声を掛けてみる。

「もしかして、S診療所ですか?」

ふむ。私の心の内を覗いたようだ。
とはいえ、この場所でカメラを下げていれば目的は分かるか。

彼氏さん曰く、多分ここだと思うが崩壊激しく確証がないということ。

しばし歓談。聞けば彼氏さんの方も薮漕ぎしたそうで。お互いに何でこの生垣に気が付かなかったかなと笑う。

手分けして痕跡を探すことに。
潰れた廃屋の窓から内部を見るが天井の崩落激しく先へは進めない。

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諦めずに目を凝らす。
どこはかとなくレトロ浪漫な雰囲気が残る。窓枠の趣向からも普通の廃屋でないオーラがある。
多分ここで間違いないですよと声を掛けた直後、診療所の受付の痕跡を発見。

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「こっちから入れそうです」

先へ進んだカップルから嬉しい報告が。

ナニワトモアレ完全に崩壊する前に来れて良かった。
内部へ進んだ二人がスマホで撮影を始めた。

しばし待つ。周囲を探すと薬品の入っていたと思われる空き瓶が落ちている。
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撮影を終えた二人と別れ、いよいよ私の番だ。

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ここは有名な診察室。二階部分の崩落で大部分は潰れてしまっているが面影は残ったままだ。よくぞ潰れないでいてくれたッ!

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分娩台の上には大黒さまが鎮座。

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大黒さま「よくぞ参られた。貴方が来るまで持ちこたえて見せましたよ。」

ありがとう。大黒さま。

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ここは本当に絵になるなー。素敵すぎる。

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崩落の影響で立ち入れる場所はかなり限られている。
事前情報がなければ診療所だとは思えなかったかもしれないほどだ。

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薬品棚。
かつてはここに瓶詰めの薬品が並べてあった。有名すぎるが故に心ない探索者によってかなり荒らされたと聞く。

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最初に見つけた受付の反対側。崩落が酷くて近づけなかった。

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満洲国、戦時高揚・・・
こういう時代を感じることのできる残留物が残っていてくれて嬉しいよ。


帰り際に薮の外で話していた方々と遭遇。何と家族連れだった。奥さんが呆れた顔で付き合っていたみたい。旦那さんと息子は自分が藪の中から出てきたのを見て藪へ潜ったと・・・

ゴメンね!

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上の二枚は後日撮ったもの。別の廃墟へ行った帰りについつい寄ってしまった。同じような構図で恐縮だが、何度でも見たくなる本当に魅力的な部屋だ。




感想
憧れを持っていた物件だったため是が非でも拝見したいと思っていた物件。潰れかけていたがその姿を目にすることができて嬉しかった。廃墟には旬みたいなものがあって経年変化で魅力が変わる場合もあると思う。私個人としてはやはり潰れていない姿を見てみたかったのが本音であるが、この建物の最後の煌めきを目にすることができたのは素直に良かったと言える。最後というのは、現在、健全ナル國民ノ診療所と呼ばれた物件は前年の大雨で完全に崩壊してしまったためだ。今見た景色が次に見れるとは限らない。廃墟に関わらず今という時間を大切にしたいものだ。

岡山県の巨大廃墟ホテル

死ぬまでに見ておきたい光景がそこにあった。

 

今回は岡山県から四国へ渡る橋の近くにある廃墟ホテルRを紹介。

超有名物件であり廃墟系の写真集などでは高確率で取り上げられているため知っている方も多いのではと思う。

 

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すでに日が傾き始めている。外観のビジュアルが強烈というわけではないが明らかに不釣り合いな棒が聳え立っている。

 

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1階は解体工事の跡が色濃く残る。ガラスは撤去され侵入者を阻む壁1枚も残っていない。かつてはここに美しいエレベーターがあったのだが同じく撤去されている。解体工事に着手したものの頓挫したと思われる。それにしても酷い荒れ具合だ。

 

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とりあえず棒の方へ向かう。私の予想が正しければ・・・

 

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どーん!これだよこれ。ってナニコレ?

 

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天空を穿つ巨大な槍。その正体とは上昇回転可動式の展望台なのです。


上空○○mの高さから360°の大パノラマが楽しめたらしい。この辺りは本州と四国を結ぶ地点。瀬戸内海が一望できてロケーション的には最高の場所。本州はどの辺まで見えたのかな?

 

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高所恐怖症の人からしたらとてつもなく怖いアトラクション。色々と維持費が大変だったのが容易に想像できる。


地上はなかなかのジャングル。自然と人工物の融合。ディストピアっぷりが凄い。

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このホテルの魅力はここだけではない。上の写真から分かるようにここはグラフィティアートが豊富なのである。

 

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次の三枚はあまりの出来の良さに作者を検索してしまった。現在ではプロとして活躍されている方の作品で2011年にはすでに描かれていた。

 

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何が良いって表情がすんごい良い!

私は基本的に廃墟というものに対しては傍観者を決め込んで、破壊行為や低俗な落書きも経年変化として捉えている。ただしイカしたグラフィティアートなら話は別だ。上書きするなら以前の作者のスキルを超越したものでなければならない、超えられないならそのまま残しておくというグラフィティ界の暗黙のルールは守ってもらいたいものだ。

 

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ホテルから見える景色も素晴らしい。ちょうど夕陽の時間だ。

近くに遊園地もあるし、なぜこのホテルは流行らなかったのだろう?

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辺りは真っ暗。星空と一緒に。

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感想

展望台が有名であったがグラフィティがここまで盛んな物件だとは知らなかった。百聞は一見に如かずとはこのことだ。展望台も迫力が凄くてホテル内部の探索がほとんどできないまま日没となってしまった。廃墟行く時の時間配分は本当に予定通りに行かない。やはり有名物件はテンションが上がる。同時に自分は廃墟に対して開拓者ではないのだなと実感するのだけど、私自身はそれで満足しているのだからどちらでも良いことなのかもしれない。

真夜中ノ宗教都市 天理教の聖地に舞い降りる

 前回の続き。

haikutu.hatenablog.com

 

時刻は1時過ぎ。12月の寒空の中で深夜の天理市観光。

さすが日本で二番目の規模の新興宗教の聖地。こんな夜更けでも車の出入りがある。

そうは言ってもこの広大な土地の中。人の気配はほとんどない。

 

!?

 

サッ・・サ・・サッ・・

何かを掃いている音が聞こえる。

法被を着た方が一人でこんな時間に神殿の周囲を掃き掃除している。

修行中の身なのか”ひのきしん”なのか分からないが兎に角ご苦労さまなことだ・・
正直、昼間ならまだしもこんな夜更けに大して汚れてもないだろうにやる必要はあるのかな。

 

とりあえず外観を撮影。

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さて、お参りに行くか。

天理教の何が凄いかって365日24時間いつでも神殿の内部である礼拝場へ行けるということ。記帳の必要もなく、信者でなくともフリーな出入りができる。信濃町の大勝利な宗教団体は昼間ですら門前払いだったぞ。本部施設前の公道に突っ立っているだけで黒服の人から注意されてしまう。

 

当然のことだが、神前ということで礼拝場の撮影は禁止。

軽く見積もって百畳以上ある畳の部屋の奥に神衣と冠を纏った人が二人。この人達は寝ずに正座し続けるのか。それにしても昼間は周囲に人がたくさんいるからいいもののこの時間は私一人だけ。お賽銭の音が響く。なんとなくだけど視線を感じるな。少し緊張する。ええと、四回手を叩けばいいんだっけ?勉強不足で”あしきをはろうて”のアレはできないんだ・・・

 

とりあえず無事に帰れるようにお願いして撮影を再会。

時間があればゆっくりと内部も見て行きたかったけどまたの機会にしよう。

 

 

巨大な礼拝場は三方向から入ることができ、”地場”を囲う形で東西南とそれぞれ三つの部屋が用意されている。さらにここより規模は小さくなるが教祖と祖霊を祀った神殿が存在し、長い長い回廊で結ばれている。今回の外観撮影ではほぼ写らないのだが不思議な気持ちで歩くことのできる廊下だ。

 

 

建物の中央である南側から。

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東側。

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西側。

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どこから撮っても変わりばえはなく、統一されたデザインで三面あると言った所か。

 

少し離れて。

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月がらんらん、雲がたくさん、外灯がいっぱい。できれば星と神殿を撮りたかったのだが環境が悪すぎるぞ。さっきお参りの時に天候を願っておけば良かったのかな。

 

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神殿の敷地は広大。上の写真は敷地内にある建物だ。独特な作りであるが、敷地を出ても周囲はこんな感じの建物ばかり。病院もこのデザインだから驚きだ。この辺りが日本で唯一の宗教都市たる所以か。町全体の宗教カラーが強く、歩いているだけで結構面白い。昼間は法被着た人が普通に自転車漕いでいたりと色々な部分で異国感を味わえるから普通の旅行に飽きた人にはオススメできる場所だ。

 

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遠くに見えるのは天理大学。例のコロコロでラグビー部がクラスター発生させて、一時期は奈良県が他は大都市ばかりなのに感染者数上位に食い込むという現象があった。

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この中央正門から見える景色は素敵。かっこいい門があるのだが、今回は何故か撮影していなかったのが悔やまれる。

 

正門から外へ出る。

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イチョウ並木はちょっと時期外れだったか。ここかどうか不明だが、一般の観光雑誌や写真雑誌にもイチョウの名所として掲載されている場所だ。

 

 

ただいまの時刻は午前3時手前。高速代金節約のため、4時までには三重県の亀山ICへ到着せねば。日本でもトップクラスで事故の多い名坂国道を抜けて。安全運転で急ごう。

 

 

感想

星や夜景撮りを始めたばかりで何となく仏閣的なものを撮ってみたくなって寄った場所。天理教の誰でもウェルカムな感じは凄く好感を持っている。こんなにも気軽に寄れる聖地って他にもあるのかな?昼間に訪問しても巨大な神殿には圧倒されるのだが、夜中の静寂さが神秘性を高めてくれていたように感じる。次は朝焼けの時間帯に見てみたいかな。そもそも高速代金節約なんて考えず朝まで居れば良かったと反省。朝の街撮りとか面白そう。平日0時から4時の3割引きは大きいのよ・・・。

 

途中で信濃町の話題を出したがその宗教をディスっている訳ではないのでご勘弁を。あそこも言われるほど怖くない。信者さんは礼儀正しいし黒服の人たちも優しいよ。それでもどこ行っても学会の人かどうか聞かれるのはやっぱり少し怖いかな。

 

真夜中ノ宗教都市 天理本通商店街を歩く

こんな夜更けに写真かよ。

 

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天理市をご存知か?

この天理市というのは中心に天理教本部を構える日本で唯一の宗教都市だ。

天理教新興宗教でも割とゆるいことが有名で本部においても誰でもウェルカム。そんな天理教本部の神殿と商店街を写真に収めるべく真夜中に向かった。

 

 

11月最終日。本来は行く予定もないというか帰る途中だったのだが、岡山から静岡までの高速代を浮かせるために名坂国道を目指す中、給油ついでに天理ICを降りた。

 

 

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私のお腹にも給油しちゃおう。

天理スタミナラーメン。全国的に有名でカップ麺やお土産なんかでも目にすることがあるはず。ここは深夜1時まで営業している。

 

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なんてことだ、餃子まで付けてしまった!美味。深夜のラーメンは罪深いが仕方がない、せっかく来たのだからと自分に言い聞かす。

 

明日から12月。ラーメンで体が温まったとはいえ"ぬくとい"地域出身の私には辛い外気だ。

 

そんなこんなで気がつけば時計の針は天辺を超えて午前0時だ。 師走よこんにちは。

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まずは天理市のメインストリートである天理本通商店街へ向かう。ここは神殿のある本部と天理駅を繋ぐ形で全長約1キロメートルほどの規模だ。商店街萌え属性の私はアーケード街が大好き。

 

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誰もいない商店街に私ひとり。問答無用のシャッター街だ。

まるでゲームの女神転生シリーズやペルソナシリーズで見た様な景色が広がる。

昭和で時計の針が止まってしまったかのような店並にうっとりしてしまう。

 

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ようこそ、おかえり。普通の観光地では聞き取れない言葉。

天理市ではそこら中で目にするこのフレーズ。天理教では人間の命の発祥が天理市という教えがあり、天理市へ来るということは広義では故郷へ帰ってくると捉えられる。だから”おかえりなさい”となるのだ。

 

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ちなみに発祥の地は地場(ぢば)とも呼ばれ、ちょうど神殿の建っている位置らしい。こどもおぢばがえりが有名だが、おぢばとは地場を指す。「お」を付けた少し上品な言い方だ。

 

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3丁目の夕日的な昭和レトロとはまた違った良さがある。

昼間に来れば分かるのだが、決してシャッター街ではないから凄い。このまま経営を続けている店が多いから恐れ入る。きっと全国から人が集まる宗教本部の土地ならではの特異な状況が功を奏しているのだろう。

 

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ちょうど半分ほどの所で交差点がある。駅近のブロックより協会本部側の方が土産店舗が多い。あまり時間がないため折り返して道を戻る。駅前には昭和感の凄い雑居ビル型のショッピングモールがあるのだが、営業時間外に行っても魅力は半減だ。

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装束店、天理ふしん社・・・

宗教関連のお店も数多く見受けられるのも宗教都市ならでは。

 

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天理スタミナラーメンもあるが本通店は深夜営業をしていない。神殿近くの道路に屋台を構えて深夜まで営業をしている。 Google検索だと時間外となっていたが1時を過ぎてもこの日は営業していた。

 

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おぢば名産、神具店、おやさと、陽気、真柱・・・

他では撮れない景色ばかり。それぞれが天理教の中では重要なワードとなる。神具店は違うか。私が説明すると語弊が生じる可能性がある。詳しい解説はGoogle先生に聞いてみよう。

 

次回、天理教本部神殿編へ続く。

 

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感想

地域と宗教が一体となった日本で唯一の町ならではの町並みが楽しめる。神殿側の商店街は飲み屋も少なく静寂に包まれている。昼に来ても楽しいが夜中は連なるシャッターの女神転生感が凄い。昼間なのにシャッター街みたいな景色も好きなのだが、それとはまた違った感覚だ。本来はアーケードのアーチと星空の写真を撮りたかったのだが、外灯や満月など状況が悪く難しかったのは残念。星空x廃墟や星空x商店街みたいなジャンルはいつか挑戦してみたいなー。

 

 

 

おまけのボツ写真

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 上の方は星空も狙ったのだが見事に星が写せず。現像時に好みの感じにしたものの他の写真とイメージが違ってボツに。下の写真は商店の看板がいい感じなのだからクローズアップすれば良かった!

 

こうやって見返してみると似たり寄ったりな構図が多いなぁ。超広角な写真は好きなんだけど、そればっかりだとつまんないのもあるよね。写真って難しい!

山の上の小さな学校 川村小学校 旧高松分校

廃校はいいぞ!

 

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今回の訪問は2020年8月。真夏の日差しを浴びながら山の頂を目指した。

神奈川県足柄上郡山北町にある神奈川県では最後の分校として1956年に開校。2010年に閉校した物件だ。

 

山の頂を目指すといっても車なのだから大した苦労もない。涼しい車内と冷たい飲み物で快適だ。

 

勾配がキツい幅の狭い道を登る。かなりの標高にその学校は建てられている。

 

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到着。フクロウのシンボルマークが素敵な立て看板が目印だ。

建物自体は木造で分校らしくとても小さい。小高い丘に見える様が可愛らしい!

 

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グラウンドは荒れた様子なくきっちり整備されている。この時期は手入れしていないと雑草が生い茂ってしまうはずだ。きっと廃校後も地元住民から気に掛けられ愛されているのだろう。気持ちが暖まる。

 

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タイムカプセルの看板。

私自身はタイムカプセルを埋めた経験がなく、フィクションの世界でしか知らない。時を越えて出会う当時の私の何か。学校行事でやらぬとも埋めとけば良かったな。大人になった今だからこそ思う。

 

校舎の外観を間近で。

 

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さすが10年前まで現役だっただけあって痛みが少ない。まだまだ潰れる気配は見られない。末永く残っていてもらいたいものだ。

 

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煙突モクモク飛んでゆけ。青空にも負けない色の可愛いヤツ。この辺りの冬の冷え込みは過酷。暖房は欠かせない。山の分校の標準装備だ。

 

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そう、ここは旧高松分校。教えてくれてありがとう。

 

校舎裏側へ。

おそらくここがこの校舎で一番の見どころだ。

 

 

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可愛い鳥さんがいっぱい!

自然に恵まれたこの土地ではたくさんの野鳥が観察できる様で子供達が描いたイラストで彩られている。開校50年や平成17年と記載がある。2005〜2006年くらいに描かれたものとなる。

 

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私は鳥ならメジロが好き。さてどこにいるでしょう?

これを描いた子供のほとんどは成人しているはずだ。それでもイラストから伝わる純粋さは色褪せずに残っている。

 

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これを描いた人々はここに来ればあの時の自分に帰れるのだ。帰れる場所がある、こんなに嬉しいことはない。

 

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自分のお気に入りはこの靴箱。こんな素敵な靴箱は他では見かけることができない。それぞれがひかり輝く一点モノだ。

 

この廊下は今でも子供達の笑い声が聞こえてきそう。

 

内部の立ち入りはできない。窓から校舎内を確認できる。中は教室二つ分といったところか。

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机や教材の類はせいぜい黒板消しとチョークくらいでほとんど片付けられている。今でも地域の集会で使っていそうだ。

 

 

 

壁に貼りだしてあるものは当時のまま残っている。

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ピカ〇ュウさんとハム〇郎さん。

とっ〇こは少しズレるがポケ〇ンはドンピシャの世代だ。これを描いたのは私より少し下の世代の子だと予想。サ〇シくんは20年経ってもポケモンマスターを目指したままと当時の私に伝えたらどんな反応をするのだろう。ギエピーの方は少し前に連載が終わったんだっけ?

 

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ここでも野鳥観察についての取組が目立つ。学校としても代々取り組んでいったライフワーク的なものだったのかな。フィールドワークも思う存分できる。この土地ならではの贅沢な授業だったのだろう。それにしても素敵な詩。キュン死とはこういう感覚だったのか!

 

それにしても暑い。そろそろ下校して車で涼むかな。さっき買った飲み物は茹だっているだろう。

 

 

思いは時を越える。

まぶしい日差しと青い空、夏真っ盛り。小さな木造校舎と残された思い出は私の胸にも刻まれた。

 

 

 

感想

天気にも恵まれて訪問の満足度が高かった物件。たくさんの思い出が詰まっている校舎に胸がいっぱいだ。卒業生は帰省の際に立ち寄って昔を懐かしむ姿が想像できる。規模こそ小さいが廃校訪問の良さが凝縮されている。それにしても、こういう実家以外で当時の思い出が残っているというのは羨ましい。私もタイムカプセル埋めとけば良かったなー。

 

 

バブルの遺構 魅惑の廃ホテル

魅惑の廃ホテルでバブルの幻想を見た。

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バブル時代の廃墟は独特の哀愁が漂っている。

昭和と平成の狭間の強烈な時代の残り香のせいなのか。

 

今回の訪問は2020年12月。

山梨県北杜市清里高原に存在する廃ホテル。

バブル時代を知らない私がそれを絵に描いたような物件だった。

 

ホテルのオープンは1985年。

プロ野球選手の江夏豊選手が清里高原の新名所としてプロデュース。彼が趣味で集めたアメリカンクラシックカーのキャデラックの展示がホテルの目玉という何ともバブリーなエピソードが残っている。もちろん例に漏れずバブルの崩壊とともに客足は遠のき、96年に廃業。営業は11年と短命な結果だった様子。

 

そして、99年。廃業後の競売で落札されたのだが、それがオウム真理教の関係者と判明。地元住民や観光業者の反対もあり、落札が阻止されたまま現在に至る過程だ。

 

いやはや。こうして考えると何という激動の時代を乗り越えてきたのか。ここまで時代に翻弄された物件も珍しい。

 

それではさっそく物件へ。

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草木に覆われているということだが訪問が冬だと藪漕ぎしなくて済むのは助ける。

奥に見えるパルテノン神殿みたいな柱が前面にある豪勢な洋館が目的地だ。なんでもハーバード大学を模して作られたそうな。

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外観はパッと見そこまでの劣化も見られず、良好なまま20年が経過したみたいだ。

ただレンガ調の塗装は光沢があり、近くで見ると少し安っぽい。

 

それにしても山の天気は変わりやすい。外観を撮影していたらあっという間に雲が広がってきた。

 

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すでに見えている入り口からの光景に気分が高揚していくのが分かる。

 

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一面に敷かれた赤い絨毯がゴージャスな印象を与えてくれる。

奥に小さく見えるのは万国旗で営業当時は掲げられていたのか。往年の姿に思いを馳せる。海外っぽいから万国旗というのは少し庶民的な発想で微笑ましい。

 

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このカーブした階段がお洒落でかっこいい!

 

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受付では看板犬がもう来ぬ客人を待ち続けている。

日報や料金メニューはそのままに瓶のジンジャーエールも未開封だ。

 

それにしても写真映えするエントランスだこと。

もっと撮影をしたい気持ちを抑えて探索を優先する。

 

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まずはレストランの跡地。手書きのメニューが庶民的で懐かしさを覚える。当時の水準ではどの程度の価格帯だったのか。現代の観光地でこの値段なら良心的だ。

 

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厨房を通り抜けて地下へ。

 

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窓から漏れる日差しが美しい。廃墟探索をしていると時々このような光景に出くわすが写真で表現しきれないのが本当に悔しい。実物はもっと凄かったのに。エントランスでは少なかったオウム真理教関係の落書きも散見している。

 

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パンフレットを発見。

言葉を失うくらいのゴージャス&バブリー。かっこいい横文字が並び、シティビューティーというパワーワードが目を引く。高級フレンチを食べて夜通しディスコで盛り上がるという楽しみかたを提案している。シティビューティー達も数日の観光くらいは都会を忘れて自然を満喫する方を選ぶんじゃないのかな。私ならせっかく清里高原まで来るのだから夜はディスコで踊るより星空でも眺めていたいよ。

 

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この地下空間は不思議な魅力で溢れている。バブル絶頂期、ここに集まっていた若者たちはその光景を今でも覚えているのだろうか。

 

 

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地下から伸びる階段。ここでも赤い絨毯は外せない。

現役時代は地下のライトと相まってさぞ艶やかだったのだろう。

 

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階段を登った中腹にCAFE BARを発見。 SEVILLE(セビル)とキャデラックの名前が冠されている。ドアをくぐると突然の白黒空間。モノトーンで統一されており非常にスタイリッシュなBARだ。入り口には第16サティアンと落書きがある。まるで秘密基地のようだ。

 

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第16サティアンの奥地。天窓となっている様子で神々しい雰囲気が地下に続いて味わえる。

 

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思わず近くにあった脚立を立ててしまった。

いい大人がキャッキャしながら脚立を立てて写真を撮る。まさかこんなことしているとは10年前の私が見たら何を思うのだろうか・・・。

 

階段へ戻り上へ進む。ここから宿泊エリアだ。

 

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なかなかの狂気を感じる貼り紙と落書き。

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破れたガラスからは自然の侵食が進んでいる。

さて、お部屋へ行ってみようか。

 

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ピンクのお部屋。

部屋の構成は寝室とユニットバスのみ。

高原のリゾートホテルと自称しているがこれはお粗末すぎる

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違うタイプ部屋もあるが広さは大差がない。これでもバブル崩壊まではキャンセル待ちが出るくらいの人気だったというのだから驚きだ。バブルの恩恵を受けた人々は湯水のようにお金を使っていたのだろう。

 

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宿泊エリアのある二階から見た景色。うむ、絶景かな。

 

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二階にはビリヤード場もあった様子。隣には唐突な白黒空間が現れる。CAFE BARと同じようなモノトーン調の部屋が併設されており、プールバーのような形だったのではないだろうか。

 

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以上で探索を終了。

外はうっすらと雪が降っている。清里高原は冬シーズン真っ只中だ。

遠くには美しい山々が広がっている。自分の知らない帰っては来ないであろう時代に思いを馳せて車へと向かって行く。

 

 

感想

バブル経済に沸いた時代は短いが強烈だ。強烈だからこそ廃墟になった今は儚さだけが残る。当時はナウなヤング達でフィーバーしていたホテルで設備が撤去されていてもその時の雰囲気を味わえた。見た目の派手さは健在なもののどこかチープでハリボテ感が拭えない部分に哀愁を覚える。こういう見た目の派手さだけを追求したものはバブル崩壊とともに人が散っていったのだろう。パンフレットから見えるコンセプトも現代の感覚では理解に苦しむ部分ばかりだ。そして宿泊部屋は格安ホテル並の設備しかないのはリゾートホテルとしては致命的に思える。その辺り含めてバブルの遺構として非常に楽しめた物件だ。