廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

廃校diary 長野県 贄川小学校桑崎冬季分校

今回の訪問は2020年の初夏。
長野県の贄川宿近くにある冬季分校と冬だけの分校へ行ってきた。一応、林道を辿れば車でも行けないことはないらしいが道のコンディションがとてつもないらしい。私の車は普通のコンパクトカー。林道の入口から目的地まで直線距離で2キロちょっと。どうしようかと迷う。

前日の夜は大雨。早朝には上がっていたが念のためコンビニで雨合羽を購入した。


時刻は午前6時。林道の入口まで到着。
行けなくもないかなと思う道路状況だが、この先で立ち往生したことを考えると、、、、歩いていこうか。


およそ数十分で桑崎集落という廃集落へ到着。
林道とはいえ、山道は大変だ。そして雨露対策で雨合羽のズボンだけ履いたのだが、ただ蒸れるだけで逆に濡れる。ゴアテックスなどの透湿素材のありがたみを実感する。

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集落を抜けて反射炉のような建物があれば目的地はすぐそこ。奥の方にちょこんと佇んでいた。

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新緑に映える赤い屋根が可愛い物件。
右側には鐘が見える。予鈴に使われていたのかな。

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ガサガサっと音がする。鹿か熊か?
天然記念物のニホンカモシカくんでした。お出迎えありがとう。驚かしてごめんね。


内部へ。


ブーンと嫌な羽音が聞こえる。ニホンカモシカくんに続いてスズメバチさんのお出迎えも受ける。それも2匹。君達とは会いたくなかったなぁ。

この時期ならそこまで警戒しなくとも良いみたいだが私は小心者。恐る恐るシャッターを切っていく。

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どーん。
これよ、これ。

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写真集やブログで見た時より沈んでしまっている印象。

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沈むグランドピアノに浮かぶ照明・・・

ふんわりと何だか不思議な気持ちにさせてくれる。

隣の部屋は工房というのかアトリエというのか、廃校後に誰かが住んで使っていた形跡が残る。

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一応、廃校らしいものもあるが少しだけ。

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離島のスクラップが貼られている。この場所とは真逆のところ。田舎の子ども、海への憧れ・・・とか想像すると胸がキュンとする。


廊下にも少しだけ廃校らしい残留物が残る。

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もう少し写真を撮っていたいが蜂が怖いので退散しよう。

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何よりも安全を優先するのが私のスタイルだ。本当はビビりなだけなんですけどね。

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実はカメラ2台体制で撮影したのだが、片方のデータがどこかへ行ってしまった・・・
上の写真のように生活感のある調理室と寝室があった。



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帰りに奈良井宿へ寄る。
この辺りは宿場町が多い。徒歩での移動がメインだった時代は一日でどのくらいの距離を進めたのだろうか。

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そのまま北上して諏訪湖と御射鹿池にも寄る。
御射鹿池はたまたま寄っただけだが美しい池だった。長野県もまだまだ行ったことのない土地ばかり。また行きたいものだ。



感想
辿り着くまで険しい道のりであったが行った甲斐があったと思う。新緑の美しさと校舎の外観を写真に納めた時は思わず見蕩れてしまった。反面で内部はスズメバチのおかげでゆっくりできなかったのが残念。床に沈むピアノより後者の外観の方が感動したかな。見所も少ない気がするもまた行ってみたいと思わせてくれる不思議な物件だった。

※本記事は紛失したデータが見つかり次第更新するかも