廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

伊豆長岡 螺旋階段と南国風壁画が有名な廃墟ホテル

山の中のゴルフ場に併設されている廃ホテル。

外観はお世辞にも立派とは言い難いものの中へ入ると実に美しい光景が待っていた。

 

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赤い絨毯とシャンデリアが印象的な食堂。天井と床は剥がれて終末感が溢れている。

 

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1960年代に建てられたホテルということだが当時はさぞ高級感のある雰囲気で食事ができたのだろう。

 

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BARの前に入場者状況が貼り出されている。これが示す数値は何のことなのか。

 

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窓から差し込む光がもの悲しい雰囲気を強くする。

 

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剥がれ落ちる棚の装飾。見かけだけ取り繕ってもいつかはこうなる。戒めにしよう。

 

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半月状の螺旋階段。噂に名高い美しさ。

 

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螺旋階段を見ると思い出すのは幼き日に見たアニメだ。

永遠なるもの、世界の果て、薔薇の花嫁、絶対運命黙示録・・・世界を革命する力。はっきり言って意味が分からない単語だらけであったが非常に鮮烈な体験をさせてもらった。そして例に漏れず拗らせた。

 

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螺旋階段を登っていると永遠に続く感覚になる。しかし世界の果ては急に訪れる。

 

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世界の果ての向こうには見渡す限りの広い世界が待っていた。

 

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伊豆半島の入り口から静岡県が一望できる。夜景も期待できそうだ。

 

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これがもうひとつの目玉であるロビーの南国風壁画。タイルアートと言えば良いのか。

 

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伊豆といえば何故か南国風な建物や装飾が多い。静岡県自体が温暖といえばそうかもしれないが県民としては疑問だ。異国情緒溢れる施設は今も昔も絶えない。

 

もっともここは海も無ければ冬になると雪も降る山奥なのだが・・・

 

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ここまで豪華な部分の写真ばかり掲載したが、ここは高度経済成長期の建物。大衆的なホテルらしく一貫したこだわりがあるわけではないらしい。

 

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昭和な文字のフォントが可愛い。

 

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お部屋はこんな感じの和室が多かった。

 

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大部屋には備え付けの浴室がある。サイズ感に時代を感じた。

 

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男子トイレも現代人には小さいかもしれない。

 

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上層階は木々に邪魔されず景観が美しい。惜しむべきは富士山が見える場所が限られていることくらいだ。

 

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廊下の雰囲気が素敵。

 

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この日は真冬だったが雑草は力強く茂っていた。

 

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螺旋階段だけでなく魅力的な階段が豊富にあった。梯子は階段と違うか。

 

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一部屋だけコンクリート剥き出しで雰囲気の違う部屋がある。そこにはグラフィティアートが描かれていた。こんな場所まで描きに来るとは恐るべし。

 

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でもこっちのアートの方が素敵。左え。

 

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地下ワールドも堪能。

 

 

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外観はホテルというのか社員寮みたいに質素。

 

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変わっていくけれど変わらないモノがここにはあった。

 

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感想

現役のゴルフ場に併設されている廃ホテルは見た目にそぐわず豪華な内装そのままに佇んでいた。タイムカプセルのように昔の雰囲気そのままに残っている。廃墟探索を開始したばかりに見た物件だが写真集で見るような廃墟美に興奮したのを覚えている。晴れた日の展望は素晴らしく伊豆高原の景観の良さが味わえるモノであった。当時とは経営者が違うということだがゴルフ場とともにホテルを経営されていたらしい。特に観光名所も見当たらないこの場所でホテル経営するのは難しそうだ。それともいけいけドンドンな高度経済成長期にはそんな事は気にしなくて良かったのかな。タイムスリップできるなら一度は行ってみたいものだ。