廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

真鶴水族館跡地

神奈川県真鶴町にあった水族館。

詳細な情報が少ないのか開業時期も閉業時期もはっきりとしない。一説によると、1957年に開業し、1979年に台風の影響で閉鎖されたということ。しかし、平成初期まで観光ガイドに記載の形跡も見られている。小規模ながら竜宮城をイメージした立派な水族館に加えて、建物の裏には釣り場も併設されていた。水族館閉業後も釣り場は2000年まで営業していた模様。建物は2005年に解体済み。

 

こちら真鶴半島の名勝、三ツ石。ここから1キロ程度西へ進む。

 

内袋観音という漁師がたった一人で掘ったと言われる岩窟が目印。

画像左の大きな岩で塞がれている道を進む。

 

もともとは車道であっただろう道も使われないとこの有様。海岸に建てられた水族館であったため、勾配のある道を進むこととなる。

 

目的地は釣り場としても知られているため、アスファルトを抜けても踏み固められた道が続いている。

 

徐々に道幅は狭くなってくる。藪漕ぎと言うほどではないが整備されていない道。注意は必要だ。

 

倒木が目立ってきた。さすが海岸付近と言ったところか。

 

倒木の森を抜けると小さな入り江が見えてくる。ここが真鶴水族館跡だ。

内海の先にコンクリ基礎があり、生簀のような形に見える。おそらく釣り場であっただろう場所か。

 

南国を思わせる自生したとは思えない木。

 

周囲にはコンクリートの遺構が転がっている。

 

美しい景色。遠くに見えるは初島かな?

 

この海岸はレオナルド・ディカプリオ主演の映画「ザ・ビーチ」を思わせる秘境間が堪らない。都市伝説的に語られる秘境の楽園。2000年の映画だったか、あの頃は都市伝説にも浪漫があったものだ。

 

ここから見える岩窟が内袋観音。

 

内袋観音周辺は再整備の話が何度も立ち上がっては消えていると言われている。

 

荒波に削られたのか、コンクリート内部のワイヤーメッシュも剥き出しのまま残っている。

 

先に進んでみよう。

 

海に佇む謎のパイプ。看板にうっすら見える立ち入り禁止の文字。人工物など自然の前にあまりにも無力だ。

 

ワイルドな岩肌も良く見るとコンクリ遺構が残る。

 

この辺りまでが遺構かな。

遠くを見ると釣り人の姿。彼らもまた命知らずな趣味人である。

海岸方面は面白味こそ少ないが巨大な流木にこれまた自然の力を感じることができる。

 

廃墟を見にきたのか自然を見にきたのか・・・。ただねぇ、廃墟に来ないと見えない自然はあると思うの。

 

コンクリの基礎。生簀的な釣り場だった様子がわかる。

 

突然差し込む光が生簀を照らす。とっても神秘的。

 

日没近い岸壁ということで写真を撮るには陰影がきつい場所でもあった。

 

コンクリートの中身が丸裸。大小無数の石ころが詰まっていた。

 

廃墟としては建物も無く、せいぜいコンクリとパイプくらいしか遺構は残っていない物件。どうしてこんな厳しい自然環境下に水族館を作ったのか疑問もあるが、現代の感覚で物事を批判するのは野暮ってやつか。

 

自然の中にある水族館はどんな感じだったのか。在りし日に思いを馳せて海岸を後にしよう。

 

ガードレールの落書き。

そういえば真鶴の廃墟と言えばあの有名物件がありますネ。真鶴の町もとってもいい所。近いうちに記事を作ろうかな。