廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

廃駅探訪② 能登半島に眠る廃線を辿る のと鉄道能登線

のと鉄道能登線の廃駅へを訪ねて…

 

今回から”のと鉄道”の廃路線の深部となる能登線を辿る。

前回訪れた七尾線と違い、路線全てが廃線となっている。奥能登の南岸を走った路線は全線開通となった1964年の4年後には赤字路線に名を連ねたということ。国鉄再建法により不採算路線を廃止する方針となったが、自治体の協力もあり第三セクター鉄道としてのと鉄道が1987年に設立。その後も赤字額は増え続け、2004年に廃止が決議され翌2005年に廃止に至っている。

 

①輪島駅〜④穴水駅は前回の記事参照。

 

haikutu.hatenablog.com

 

⑤中居駅

アクセス:★★★☆☆(見つけやすいが駐車に難あり)

保存:★★★☆☆(駅舎とホームが残る)

寂びれ:★★★☆☆(ほぼ手付かずの状態)

おすすめ:★★★☆☆(駐車場所さえ許容できれば)

国道249号線沿いに残る中居駅。

農耕地が広がる中に駅舎とホームが手付かずの状態で残っていた。

 

国道側からは木々により見えにくいが鉄道駅独特の杭を目印にすれば迷わないだろう。

ホームには待合室となる駅舎がぽつんと残る。

 

扉は固く閉ざされていた。

中を覗くと終末的な美しさが待っていた。

 

中に入れないのは残念と思う反面、入れないからこそ残る美しさを実感できる。

 

ホームの真下の緑の山が線路跡か。20年前までここを電車が通っていたと思うと感慨深い。

 

緑のモコモコも何かの遺構かもしれないが、その姿は季節の巡りを待たなければお目に掛かることはできない。

 

素晴らしい景色をありがとう、中居駅。

 

ひとつだけ難点を上げると駐車スペース。駅の前が民家となるため私は避けて別の所に駐車をした。これだけ広い道路だから大きな問題ではないか。

 

比良駅

アクセス:★☆☆☆☆(民家を通る必要あり)

保存:不明

寂びれ:不明

おすすめ:行ってません(民家の中にある?)

 

こちらの道を曲がると比良駅なのだが・・・。

 

うむむ、どうやら民家を通らねば辿り着けない場所らしい。

払い下げの土地なのか勝手に使っているのか不明だが赤いコーンで止められている以上は入らずにしておこう。(今思うともう少し近づけば良かった・・・)

 

駅前に広がる商店の廃墟がかつて人の集まる場所だった証明か。

 

⑦甲駅

アクセス:★★★★★(駅前に駐車スペースあり)

保存:★★★★★(大型の駅舎とホームが残る)

寂びれ:★★★★☆(廃駅を堪能できる)

おすすめ:★★★★★(駅舎の中も見所)

 

漁港を構える集落ということで大型の駅舎を構える甲駅。当時の姿そのままに残されていた。

 

駅前には廃墟化した公民館らしき物件が残る。

 

肝心の駅舎はコンクリブロックがハードボイルドに染みる外観。

 

改札の窓口にカレンダーや時刻表が残る駅舎内。最終列車のお知らせが悲しい。

 

駅に沿った道は沿線沿いのそれ。

 

ホームへ行けそうだ。

 

目に映るは駅舎とホーム。

線路は無いのに目に浮かぶ。

草刈りもされており夏場というのに素晴らしい景色。

 

この一輪車は駅の物なんだろうか?

 

駅舎の表は障害物が多く、覗くには裏側が最適。

 

切符の券売機。

無人駅の多い能登線だが、ここは有人の駅だった様子。

 

塵と埃で霞んだ窓越しの世界。

ソフトフィルター効果で幻想的に写る。

利家とまつも懐かしい。まつが松嶋菜々子織田信長反町隆史なんだよね。

 

駅のホームは草木が生い茂る。

 

待合室は目の前の畑を見守っていた。

 

雨よけの屋根もそのままの姿だ。

 

ホームまでの道のりもノスタルジア全開。

 

待合室にはベンチと誰かが撮った写真に加えて時刻表が残っている。

私の住む町はここまで田舎町ではない。それでも溢れ出てくるノスタルジア。その気持ちが実に心地よい。

 

次回に続く。