今回で4回目の更新となる能登線探訪。
山間の駅ばかりとなった前回までと違い、今回は海沿いの駅を紹介する。おそらく観光鉄道としては花形となる場所だったのではないだろうか。
11.矢波駅
アクセス:★★★★★(国道裏に駐車場あり)
保存:★★★☆☆(遺構は少ない)
寂びれ:★★★☆☆(独特の雰囲気を残す)
おすすめ:★★★☆☆(アクセス良し)
海沿いの駅となる矢波駅。
駅の遺構としてはホームのみとなるが、廃駅特有の物悲しい雰囲気や情緒が感じられる。
国道の裏側に駐車できるスペースもあった。
隣には公民館もあり、駅のホームも管理されている様子がある。
階段を駆け上がると駅のホームが待っている。
駅は抜群のロケーション。電車からも良く見えただろう。
線路跡は植樹されているため、ホームから望むことはできなくなっている。時代が違えば海の見える駅として話題になったかもしれない。
待合室など目立つ物こそ無いが、駅のホームらしい遺構が残る。この辺りが雰囲気を残す大事な要素だと思う。
”奥能登の
未来を築く
のと鉄道”
心にグッとくる標語。未来を築くことのできなかった能登線よ、安らかに眠れ。
12.波並駅
アクセス:★★★★☆(駐車場無し)
保存:★★★★☆(駅周囲にも遺構が残る)
寂びれ:★★★★☆()
おすすめ:★★★★☆(心に染みること間違い無し)
こちらも海沿いの駅となる波並駅。
個人的に今回訪問した能登線の中で一番印象に残っている場所だ。
難点といえば駐車場が無い。
近場に停められそうな場所はあるが集落の近くとなるため少し離れた場所に駐車した。
駅までの道のりに遺構らしき物がチラホラと。
こちらも能登線では珍しいレール跡。
線路の隣はすぐに海。晴れの日は美しいだろうけど、台風の日なんか迫力がありそう。
集落近くの踏み切り跡。
レールは撤去されている。踏み切りの名残で凸凹道だ。
駅のホーム。
線路に植樹は矢波駅と同じ。海側にある木は・・・桜だ!
鉄道・駅・桜・海と凄いロケーションだな。海の位置も近いし、現役だったら映える駅として能登線を代表しそうな印象。
駅名標。この辺りは波という文字の地名が多いみたい。
鉄道レールは撤去されている。
駅の待合室を覗いてみるとノートがある。これはつまり・・・ドアが開いた!
「波並駅思い出ノート」なるものが置かれている。
私は本当にこういうのに弱い。どうしてか琴線にグッときてしまう。
パラパラとめくると多くの訪問者の思い出が残されている。
日本全国の同好たちが残したメッセージはどれもこれも暖かい。
こういうイラストをサラッと描ける人って本当に凄いと思う。憧れますなー。
壁には地元女子高生が調べた能登線跡の解説が貼られている。私の文章なんかより分かりやすく良くまとまっていた。
駅のホームも待合室も清掃が行き届いている様子あり、廃線となった現在も愛されているのが分かる。素敵な雰囲気を残しつつ訪問しやすい。言葉にしにくいけど良い塩梅なんだよな。個人的に廃駅としては理想の場所に近い。皆様も訪れた時には是非メッセージを残しましょう。
13.藤波駅
アクセス:★★★★★(運動場の駐車場が近い)
保存:★☆☆☆☆(全て撤去済みか)
寂びれ:★☆☆☆☆(夏は雑草が凄まじい)
おすすめ:★☆☆☆☆(おすすめしない)
こちらは運動場近くにある藤浪駅。
駅舎のあった場所に来たのだが、何も残っていなかった。
かつては運動場と駅の間にある橋の下に廃車両があったみたいだ。
まるで森の中にぽつんと残されたかのような幻想的な光景は、廃墟写真集などでも目にしたことがある人もいるかもしれない。
車両自体は2022年の秋に撤去されたということだが、駅舎も同時に撤去されてしまった模様。
藪が深くて見辛いのだが、ホームの縁が見える。かろうじてここが駅のホームであったと分かった。
この後も海沿いを走ることあれど、ロケーションが良さそうなのは矢波駅と波並駅だけとなる。
次回に続く。