廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜

静岡県を中心にちょっと違った旅の記憶と記録。

遺構

復活のMILK POT メルヘン廃墟タウン 清里駅前の今

廃墟となったメルヘンの町 かつては観光客で溢れかえるメジャー観光地だった清里。 その全盛期は昭和後期から平成初期、いわゆるバブル期に当たる。メルヘンでファンシーな雰囲気のある避暑地として注目を集め、駅前の商店には多くのタレントショップが並び…

消えゆく遊郭跡「龍城連」 岡崎市板屋町

消えゆく遊郭跡を歩く 雨上がりの岡崎市。 以前は岡崎に良く来ていたのだが、岡崎東駅の岡ビル百貨店が閉業してから足が遠のいていた。今回の目当ては遊郭跡。岡崎城を有する岡崎公園の近くに存在した通称「龍城連」へ赴く。 今では閑静な住宅街となっている…

廃駅探訪⑥ 能登半島に眠る廃線を訪ねて 終点の蛸島駅

廃線を巡る旅も終着駅へ 前回の続き haikutu.hatenablog.com ついに能登線の終着駅へ辿り着いた。 最後の駅である蛸島駅はこれまでの駅よりも遺構が豊富に残されている。 18.蛸島駅 アクセス:★★★★★(駅前に駐車可能) 保存:★★★★★(適度な管理と豊富な遺構…

廃線探訪⑤ 能登半島に眠る廃線を訪ねて のと鉄道能登線

未来へ紡ぐ能登線の駅舎たち。 これまで訪れた能登線の駅舎は当時のありのまま残っていた。 今回、訪れた駅舎は観光の拠点になっていたりアート作品になっていたりと姿形を変えて地域に残り続けている物件ばかりだ。思えば七尾線の輪島・能登三井駅も同様で…

廃駅探訪④ 能登半島に眠る廃線を訪ねて のと鉄道能登線

のと鉄道は奥能登の未来を築けたのか。 今回で4回目の更新となる能登線探訪。 山間の駅ばかりとなった前回までと違い、今回は海沿いの駅を紹介する。おそらく観光鉄道としては花形となる場所だったのではないだろうか。 haikutu.hatenablog.com haikutu.hat…

廃駅探訪③ 能登半島に眠る廃線を巡る のと鉄道能登線

廃駅巡りとは時間との戦い・・・ 1日で能登線を巡る野望は儚く潰えた。 前回の甲駅らへんでは行けるかもと思ってしまった能登線の完全制覇。今回訪れた駅から雲行きが怪しくなったのを覚えている。さすがに30ある駅を1日というのか半日では話にならなかっ…

廃駅探訪② 能登半島に眠る廃線を辿る のと鉄道能登線

のと鉄道能登線の廃駅へを訪ねて… 今回から”のと鉄道”の廃路線の深部となる能登線を辿る。 前回訪れた七尾線と違い、路線全てが廃線となっている。奥能登の南岸を走った路線は全線開通となった1964年の4年後には赤字路線に名を連ねたということ。国鉄再建法…

廃駅探訪① 能登半島に眠る廃線を辿る のと鉄道七尾線

能登半島に眠る廃駅を探す。 かつて存在した輪島市と珠洲市を結んでいた2つの路線。 奥能登とも称される文字通り半島の奥地を走っていた路線だ。 廃路線となったのは、輪島駅から穴水駅を結ぶ七尾線の一部区間と穴水駅から蛸島駅を結ぶ能登線の全線。両路線…

土倉鉱山跡 滋賀のラピュタ

山奥にある滋賀のラピュタ 日本で藪に覆われたコンクリート遺構の異名はラピュタかマチュ・ピチュと相場が決まっている。土倉鉱山は「湖北のマチュピチュ」と呼称されることもあるが、「滋賀のラピュタ」の方がポピュラーな印象だ。日本のラピュタで有名どこ…

滝谷出村遊郭を歩く 福井県坂井市三国町 

名勝東尋坊を有する三国町。 九頭竜川の河口に面した漁師町だ。 遊郭としての歴史は古い。江戸時代から戦後の売春防止法が施行されるまでの時代を駆け抜けた。 遊郭であった歴史を隠す場所も少なくないが、この町ではそんなことはない。見返り橋と思案橋と呼…

新世界乾杯通り 富士吉田の赤線だった路地裏飲食店街

消えゆく昭和の街並みを探して早何年か。 そのまま消えていってしまったものもあれば蘇ったものも少なくない。 富士吉田の月江寺にある新世界乾杯通りも「昭和レトロな街並みを残す」という思いから2015年に再開発プロジェクトが発足され、2016年にそれまで…

廃線さんぽ 三河広瀬駅(名鉄三河線)

haikutu.hatenablog.com 廃線となった名鉄三河線の通称「山線」。 終着駅である西中金駅のひとつ手前、三河広瀬駅も線路を歩くことができる。 木造のこじんまりとした駅舎が残る。 西中金駅同様に喫茶店として再利用されている。 今回は営業時間外であったが…

廃線さんぽ 西中金駅(名鉄三河線)

愛知県碧南市から豊田市を結ぶ名鉄三河線。 現在は碧南駅から猿投駅までの路線となっているが、2004年まで碧南駅から海線・猿投駅から山線と呼ばれた路線区間が存在していた。その山線の終着駅である西中金駅周辺は気軽に廃線散歩ができるということで訪れて…

三ヶ根山スカイライン 廃墟と墓のデスロード①

三ヶ根山スカイライン。 愛知県蒲郡市から西尾市に至る標高326m、全長5.1kmの有料ドライブウェイ。 紫陽花と三河湾を望む景観が自慢の場所であるのだが、その荒廃っぷりが酷いとその筋の界隈では有名な場所だ。廃墟と墓と廃墟と廃墟といった状態でいつしかデ…

聖ソフィア白樺高原教会

湖畔に近い白樺の森の中にある小さな教会。 幻想的な雰囲気をそのままに役割を終えた現在も佇んでいる。 場所は標高1530mの蓼科高原、女神湖近く。 秋の足音が迫る夕暮れ時。 このまま湖面を眺めていたい気持ちを抑えて探索を開始する。 なんとか日没前に目…

メイプルヒルスキーリゾート② バブルの遺構再び

バブルの遺構 メイプルヒルスキーリゾート - 廃屈な日々〜旅と廃墟の回顧録〜 バブルの遺構 メイプルヒルスキーリゾート①はこちら バブル期に建設されたスキーリゾート廃墟。 今回は施設のメインフロアたる2階部分の探索が中心となる。 スキーブームの光と…

メイプルヒルスキーリゾート① バブルの遺構再び

「私をスキーに連れてって」 「ゲレンデがとろけるほど恋したい」 バブルを象徴するウィンタースポーツ。 1985年まで爆発的に増加したスキー人口。日本中が好景気に沸いた中で起こったスキーブーム。 その運命はバブル崩壊とともに徐々に下火となっていく。…

11年目の東日本大震災 被災地を旅する

10年前のあの日。 2011年3月11日。三陸沖にて発生したマグニチュード9.0の大地震。 死者・行方不明者合わせて2万人超となった。日本中が悲しみに暮れ、感じた絶望。 次第に沸いてくるのはやるせ無さを通り越した憤り。地震と付き合わなければいけない我々日…

山梨県 山中湖 洗心寮と地下金庫の廃墟

前回の記事であるメッシーナ美術館の敷地内。 その隣には運営の母体であった証券会社の研修所兼保養所の建物が残っている。 美術館より若干高台に位置し、山中湖を見渡すことができる。洗心寮という施設であるが、美術館よりも少し時間を遡った高度経済成長…

山梨県 廃墟 山中湖メッシーナ美術館 

富士山の雄大な景色が楽しめる富士五湖エリア。 山中湖側から見る雪の積もった厳冬期の富士山は荒々しくも神々しい。 現在でもそれなりに人気のある観光地ではあるものの、光あれば影あり。ここにも多くの廃墟が存在している。 今回訪れたのは1992年に証券会…

天空の秘境を目指して① 夏焼隧道を歩く

秘境駅だらけのJR飯田線。その沿線沿いには数多くの廃村や限界集落が存在している。今回訪れたのは静岡県浜松市天竜区水窪奥領家に位置する夏焼集落とJR飯田線大嵐駅を結ぶ夏焼隧道。集落は標高の高い場所にあり、安直ながら天空の集落や秘境という異名を持…

愛知県 渥美半島に残された戦争遺跡を巡る

島国ニッポン。四方が海に囲まれた日本列島において半島というものは土地の形状から戦時下においては防衛の最前線となる。そのため現在でも戦争遺跡として残されたままとなっている場所や建物が数多く保存されている。太平洋側は第二次世界大戦下において米…