廃墟となったメルヘンの町
かつては観光客で溢れかえるメジャー観光地だった清里。
その全盛期は昭和後期から平成初期、いわゆるバブル期に当たる。メルヘンでファンシーな雰囲気のある避暑地として注目を集め、駅前の商店には多くのタレントショップが並び、高原の原宿と持て囃された。
そんな過去も今は昔。
バブル崩壊とともに清里ブームは沈静化していく。盛者必衰のごとく観光客は消えていき、当時の雰囲気を残したまま衰退していった。私自身、おそらく98年前後の夏休みに家族旅行で訪れているが、その頃は観光客でごった返していた。そのため、本格的な衰退は00年以降だと思われる。2010年代になると「駅前がメルヘンな廃墟だらけ」と違った面で注目を集めていったのは記憶に新しい。
そして2023年の現在。
メルヘンタウン清里の象徴であったMILK POTが営業を再開したとの情報をキャッチ。さっそく現場へ向かってみた。(ちなみに本ブログのサムネもMILK POT!)
ちょうど紅葉のシーズンということで車の通りは多い。しかしながら駅前は閑散としている。
肝心のMILK POTといえば・・・
おぉー、営業中だ!
このペンギン村から飛び出してきたかのような外観はそのままに蘇ったMILKPOT。
お店の中に写真について店員さんへ声を掛けてから行うように貼紙あり。
ソフトクリームを注文する際に声を掛けると「どうぞどうぞ」笑顔で応じて頂けた。
営業再開したのはGWの頃ということ。その後は各メディアやyoutuberに取り上げられ、夏休みシーズン中はかなり混雑したということ。訪れる者は、往時を知る層だけでなく、若い層も多いようだ。この辺りはyoutuberの宣伝効果が強いのではと話があった。
MILK POTといえば店先でソフトクリームを持って写真を撮るのがナウいヤングの間で流行していたと聞く。
私といえばソフトクリームの写真を撮る事すら忘れてしまった。(ちなみにソフトクリームは濃厚で美味でした)
そして、この袋は店内でデッドストックの土産品が売られていたので購入したもの。
じゃじゃーん。
KIYOちゃんとSATOちゃんのハンカチセット。ファンシーという言葉が似合うデザイン。ちなみに先の袋も当時使われていたということで大変貴重な物となる。その他はマグカップや衣料品が在庫限りで販売されていた。
それでは清里駅前を見てみよう。
MILK POTのある一角がメルヘン廃墟が多い。
小学生の私はここで辰っちゃん漬けと出会った。当然、例の梅宮辰夫の等身大人形が置かれていたのを良く覚えている。
西洋の城を思わせる店舗跡。
この囲われた先には清里ひろば(ワンハッピープラザ)という小さいショッピングモールがあった。数年前からサバイバルゲームの会場に流用されていたが、調べてみると今年の12月に営業を終えていた。
どこもかしこももぬけの殻だ。
積まれた牛乳。
おみやげは・・・ぬいぐるみが一番ョ!
声に出して読みたい看板。
駅前の通りはシャッター率高め。
営業されている店もあった。
ここの店も以前は廃墟だったはずだが復活している様子。
以前までワーゲンバスが値札貼られたまま放置されていたはずだが片づけられていた。
周辺を見る限り、まだまだ廃業した店舗跡の数が目立つ。
清里駅前が復活する日は来るのやら・・・。
全盛期の名残を知っている者にとって現状は寂しい限り。観光のスタイルがモノからコトへ移行した平成後期。駅前から離れれば高原であることを前面に多くの人を集める店も少なくない。駅前はどうしても消費するだけの店が中心だったため、人気がなくなっていったのは必然的だったのだろう。
復活したMILK POTが活性化の起爆剤となってくれることを願うばかりだ。