パンダもいるよ。 ※いません
静岡県伊東市の国道135号線を走っていると嫌でも目に付く謎のゴリラ。
インパクトの強いゴリラ像から目を移すと特徴的なゼブラ柄の建物に「野生の王国」「リサイクル」「江戸屋」「激安」という文字が見える。
白熊もいるね・・・。
一体、ここは何だろうかと思った人も多いはず。
実はここ土産物店に併設された私設の博物館だった場所。
伊豆高原エリアは現在でも珍博物館の宝庫だ。その中でも一際異彩を放っていた。
歴史としては1980年頃に「野生の王国」として開業。江戸屋海産という会社の土産店に併設。動物の剥製の他、架空の怪獣や西洋の甲冑に加えて国内外の珍品が陳列・販売されていたということ。
特に目玉だったのがパンダの剥製。その額なんと4800万円!
「野生の王国」は2005年に閉業したが、展示物ごと買い上げられリサイクルショップ「江戸屋」として再オープン。親会社だった屋号そのままだが関係は不明。開店当初は奇妙な展示物が多く残り全国でも類を見ないカオスな店だったようだ。
残念なことにパンダの剥製は野生の王国閉館と同時に親会社の江戸屋海産が引き取ったらしく、「パンダもいるよ。」という文字とは裏腹にいない状態が続いていた。パンダの現在は築地場外市場にある「江戸屋海産椎名」という店でその姿を拝むことができる。(いつか行ってみたい)
私自身の記憶では江戸屋は2019年〜20年当初まで営業していたような気がする。リサイクルショップ江戸屋には何度か行こうとしたことがあったものの、店が開いていなかったり、開いていても店員が不在であったり、結局行けずじまいで終わってしまった。
そんな具合でリサイクルショップとしてかなり癖のある店だったようだ。
よく見ると戦闘機を左手で握りつぶしている。キングコングがモチーフなのは間違いなさそう。
哀愁漂う後ろ姿。
店先の看板に野生の王国時代の名残が見える。
駐車場内には建物の解体資材やガラクタが散乱。
窓は割られているものの中はそのままの状態だ。
雑多なリサイクルショップの面影を残しつつ、がらんとなった店内が寂しい。
熊さん・・・よく見るとデスノート持ってんぞ!
UTABIYと書かれている白熊。
遠くで見ると可愛い奴だが、近くで見ると鋭い牙と赤く染まった爪が猟奇的。固定用のロープが拘束されているように見えて雰囲気が増す。
黒い涙を流す白熊。
その心に宿るは野生の王国を忘れた人間への復讐か? なんちゃって。
やたら目立つのが冷蔵庫のゴミ。
バックボーンが土産物店で海産物も多かったためか。
ゴルフカートやコンテナなど何でもありな駐車場。
犬のマークの宅急便。懐かしい。
これ、いつの間にか見なくなったな〜と調べてみたら「フットワークエクスプレス」という会社で2001年に経営破綻していた。その後は民事再生や外資の子会社化を経て現在は日本郵便のグループ会社となっているということ。現在でもフットワークのトラックが走っていることもあるらしく、いつの日かその姿を拝みたいものだ。
リサイクルショップ江戸屋の閉業は2021年と3年が経過した。
いつか撤去されてしまうと思うと寂しいものがある。是非ともまぼろし博覧会のグループが引き取ってくれることに期待したい。そういえばあそこの姉妹館であるねこの博物館には大量の剥製があったな・・・まさか、ね?